【アパレル・SPA/モデルプレス】SPA=製造小売業とは、アパレルメーカーが既存の卸売業者や小売業者に頼ることなく、直接販売しているショップを持つ業務形態のことです。コスト削減できることが大きなメリットの一つですが、ZARA、H&M、ユニクロなどの世界の名だたるブランドがSPAを採用することで急成長を遂げています。気になるSPAの特徴とその仕組みについて詳しく紹介しましょう。
製造から小売までノンストップで垂直統合しているSPAとは具体的にはどのようなものなのでしょうか。SPAの基礎知識を解説します。
<SPAとは>
SPAとはSpeciality store retailer of private label apparelの略称です。「自ら作って自ら売る」という意味を込めて製造小売業と訳されることもあります。素材の調達と企画、製造、物流、在庫管理、店舗販売など、これまで様々な企業が分担していた業務を、メーカーだけで一つの工程として行おうという、1980年代後半に登場した画期的なシステムです。
<SPAのメリット>
SPAを行えば直営店の売上げや売れ筋を元に、メーカーが消費者の動向を直接知ることも可能です。顧客ニーズをいち早くキャッチして、商品開発に役立てることもできるでしょう。
また、あらゆる中間マージンを排除することによって、より安く価格を設定することもできます。多種多様な商品をならべる百貨店の棚で埋もれてしまうことなく、店舗での取り扱いは自社製品のみとなるため、存在を十分アピールすることもできるといえます。
<SPAのデメリット>
自社企画、自社製造、小売ルートも独自ということは、それだけ人件費や在庫コストなどもかかるということです。さらに、万が一、ニーズを読み間違えた場合には、損失はすべてメーカー一社にのしかかることになります。SPAはハイリスク・ハイリターンと覚悟する必要があるのです。
実際、SPAで成功するには工場管理から店頭販売に至るまで、独自のノウハウとシステムが必要です。軌道に乗るまではある程度、試行錯誤しなければならないともいえます。
SPAで躍進した海外アパレルメーカーにはGAP、ZARA、H&Mがあります。それぞれ、何が成功のカギとなったのでしょうか。
<GAP>
そもそもSPAはGAPSが1986年に提唱した概念です。もともとは10代向けの小売業で、1990年までは店頭でリーバイスのジーンズなども扱っていました。しかし、それ以降は一貫してプライベートブランドのみを販売しています。
小売業でありながらメーカー機能を補強し、人件費の安いアジアで生産を行い、大規模な販売促進をしてブランドイメージを定着させるというのがGAPの戦略でした。その試みは成功し、現在では世界各国に支店を構えるグローバル企業として不動の地位を築いています。
<ZARA>
スペインを代表するアパレルメーカーZARAもSPAにより急成長を遂げた企業の一つです。ZARAの成功はターゲットのセグメント化と、各ターゲットのニーズに合う製品を的確に提供し続けている点といえるでしょう。他の多くのSPAブランドよりファッションに関心の高い層をターゲットにして住み分けたことで、売上げを伸ばすことができたのです。値引きをしなくても売り切ることができる商品を徹底して開発したことでも知られています。
<H&M>
H&Mではトレンドに最も敏感な層ではなく、そこに憧れ追いかけている層をターゲットにしています。最新トレンドに限りなく近いデザインをスピーディーかつ安価に販売することで、これまでは裕福な層しかいち早く身につけることができなかったファッションを大衆化したのです。ファッションに関心が高い層は財布のヒモも比較的ゆるいという特徴も追い風になったと考えられています。
日本のSPAアパレルブランドの代表といえば「ユニクロ」「無印良品」でしょう。それぞれの特徴についてご紹介します。
<ユニクロ>
日本でいち早くSPAを採用したユニクロは、日本全国はもとより海外にも店舗を展開しているグローバル企業です。ユニクロのブランド戦略の特徴は、品質にこだわった高効率生産を行っている点です。このため、クオリティの高い商品をリーズナブルに提供できています。また、常に競争者のいない新たな市場で高付加価値低コストを提供する「ブルー・オーシャン戦略」もユニクロのユニークなポイントです。
<無印良品>
衣服だけではなく、家具、日用品などあらゆるジャンルのSPAを推進しているのが無印良品です。無駄のないデザインは美しいだけではなく、生産しやすいという特徴もあります。機能美を追求した無印良品独自のテイストは中国の富裕層を始め世界各国にたくさんのファンがいます。
いかがでしたでしょうか。SPAはこれまでたくさんのアパレルメーカーを急成長させてきましたが、今後は他業界でも同様の動きが期待できるともいえます。さきがけとなったSPAアパレルブランドの今後の動向にますます注目していきたいところです。(modelpress編集部)
企画から販売まで行う「SPA」とは?
製造から小売までノンストップで垂直統合しているSPAとは具体的にはどのようなものなのでしょうか。SPAの基礎知識を解説します。
<SPAとは>
SPAとはSpeciality store retailer of private label apparelの略称です。「自ら作って自ら売る」という意味を込めて製造小売業と訳されることもあります。素材の調達と企画、製造、物流、在庫管理、店舗販売など、これまで様々な企業が分担していた業務を、メーカーだけで一つの工程として行おうという、1980年代後半に登場した画期的なシステムです。
<SPAのメリット>
SPAを行えば直営店の売上げや売れ筋を元に、メーカーが消費者の動向を直接知ることも可能です。顧客ニーズをいち早くキャッチして、商品開発に役立てることもできるでしょう。
また、あらゆる中間マージンを排除することによって、より安く価格を設定することもできます。多種多様な商品をならべる百貨店の棚で埋もれてしまうことなく、店舗での取り扱いは自社製品のみとなるため、存在を十分アピールすることもできるといえます。
<SPAのデメリット>
自社企画、自社製造、小売ルートも独自ということは、それだけ人件費や在庫コストなどもかかるということです。さらに、万が一、ニーズを読み間違えた場合には、損失はすべてメーカー一社にのしかかることになります。SPAはハイリスク・ハイリターンと覚悟する必要があるのです。
実際、SPAで成功するには工場管理から店頭販売に至るまで、独自のノウハウとシステムが必要です。軌道に乗るまではある程度、試行錯誤しなければならないともいえます。
海外のSPAブランド「GAP」「ZARA」「H&M」
SPAで躍進した海外アパレルメーカーにはGAP、ZARA、H&Mがあります。それぞれ、何が成功のカギとなったのでしょうか。
<GAP>
そもそもSPAはGAPSが1986年に提唱した概念です。もともとは10代向けの小売業で、1990年までは店頭でリーバイスのジーンズなども扱っていました。しかし、それ以降は一貫してプライベートブランドのみを販売しています。
小売業でありながらメーカー機能を補強し、人件費の安いアジアで生産を行い、大規模な販売促進をしてブランドイメージを定着させるというのがGAPの戦略でした。その試みは成功し、現在では世界各国に支店を構えるグローバル企業として不動の地位を築いています。
<ZARA>
スペインを代表するアパレルメーカーZARAもSPAにより急成長を遂げた企業の一つです。ZARAの成功はターゲットのセグメント化と、各ターゲットのニーズに合う製品を的確に提供し続けている点といえるでしょう。他の多くのSPAブランドよりファッションに関心の高い層をターゲットにして住み分けたことで、売上げを伸ばすことができたのです。値引きをしなくても売り切ることができる商品を徹底して開発したことでも知られています。
<H&M>
H&Mではトレンドに最も敏感な層ではなく、そこに憧れ追いかけている層をターゲットにしています。最新トレンドに限りなく近いデザインをスピーディーかつ安価に販売することで、これまでは裕福な層しかいち早く身につけることができなかったファッションを大衆化したのです。ファッションに関心が高い層は財布のヒモも比較的ゆるいという特徴も追い風になったと考えられています。
日本国内のSPAブランド「ユニクロ」「無印良品」
日本のSPAアパレルブランドの代表といえば「ユニクロ」「無印良品」でしょう。それぞれの特徴についてご紹介します。
<ユニクロ>
日本でいち早くSPAを採用したユニクロは、日本全国はもとより海外にも店舗を展開しているグローバル企業です。ユニクロのブランド戦略の特徴は、品質にこだわった高効率生産を行っている点です。このため、クオリティの高い商品をリーズナブルに提供できています。また、常に競争者のいない新たな市場で高付加価値低コストを提供する「ブルー・オーシャン戦略」もユニクロのユニークなポイントです。
<無印良品>
衣服だけではなく、家具、日用品などあらゆるジャンルのSPAを推進しているのが無印良品です。無駄のないデザインは美しいだけではなく、生産しやすいという特徴もあります。機能美を追求した無印良品独自のテイストは中国の富裕層を始め世界各国にたくさんのファンがいます。
今後も目が離せないSPA
いかがでしたでしょうか。SPAはこれまでたくさんのアパレルメーカーを急成長させてきましたが、今後は他業界でも同様の動きが期待できるともいえます。さきがけとなったSPAアパレルブランドの今後の動向にますます注目していきたいところです。(modelpress編集部)
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