【アパレル/モデルプレス】アパレル業界に長くいると、誰でもやらなければならなくなる仕事が後輩の指導です。新人に指導をして、一人前として活躍してもらうまで育てるのは大変な仕事の1つです。先輩として後輩を指導するためにはどのようなことに気を付ければいいのか、今回は後輩を指導するときに知っておきたいポイント3つを紹介します。
後輩を指導する際のポイント1:仕事の頼み方
ここでは、後輩を指導するポイントの1つ目として、「仕事の頼み方」をご紹介します。
<仕事を頼むときは、依頼する理由・目的も伝える>
後輩は自分ほど店舗のことを分かっているわけではありません。そのため後輩に仕事を頼んだときに、なぜこの作業は必要になってくるのか、なぜその作業を依頼するのか、知らない場合があります。
作業の理由や目的が分からないと後輩の仕事に対するモチベーションは上がることはありません。何のためにこの仕事をしているのか分からなかったら、空しい気持ちになって当然です。また理由も目的も分からずにやった仕事は、ゴールが見えていないまま進んでいることと同じです。なので、仕事の質も上がらないでしょう。なので、ただ「あれやっといて」と指示するのではなくて、「●●のために必要だから、●●になるようにやっておいてね」などと、仕事を依頼する理由は目的も明確にして伝えましょう。
<自分がどうやっていたのか、見本を示す>
日本の海軍大将であった山本五十六は「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という名言を残しています。
新人の場合、仕事の全体像が見えていないために「何から手をつけたらいいのか分からない」という状態に置かれていることは少なくありません。確かに後輩を指導する立場にあるあなたはさらに忙しいかもしれませんが、実際に手本を見せてあげることによって、仕事の要領を早く覚えてくれるでしょう。
ただ、仕事の進め方は人それぞれです。自分のやり方の方が早く済むと思っていても、自分のやり方を押し付けてしまっては、生産性が落ちてしまったり、気力を奪ってしまうことにもなりかねません。
<後輩が自発的に考えられるように導く>
前項で言ったことと反対のことを言うようですが、何でもかんでもやってあげていては、後輩を育てることはできません。一度手本を見せたら次からは、アドバイスは最低限に留めましょう。そうでないと、後輩はいつまで経っても自分の頭を使って自発的に動くことはありません。理想の状態といえば、あなたが出勤していない時でも仕事が回るようにすることです。そのために聞かれたことに対しても「~するにはどうしたらいいと思いますか?」など、すぐに答えを教えずに質問をして自分で考える癖をつけてもらいましょう。ただ、教えていないことは分からないのも当たり前なので、ある程度仕事を把握してからにしましょう。
<仕事を依頼したら、口出ししすぎない>
度仕事を依頼したらなるべく口出ししないようにしましょう。まず、仕事を依頼する時はきちんと依頼する理由と目的を伝え、一度任せたら適度に気にかけてあげるくらいに留めましょう。一挙一投足を見て、あれがだめ、これがだめ、と細かく口出ししてはいけません。大切なのは後輩が「仕事を任せてもらえた」という思いです。自分の仕事に責任が発生するということは、つまりやりがいが生まれるということです。「任せてもらえた」と感じられるとモチベーションのアップにも繋がり、後輩が成長するチャンスになります。
後輩を指導する際のポイント2:褒め方と叱り方
ここでは、後輩を指導するポイントの2つ目として、「褒め方と叱り方」をご紹介します。
【褒め方】
<後輩が成果を上げたら褒める>
後輩の褒め方の基本は小まめにフィードバックすることです。後輩が良い仕事をしたり、目標の成功に貢献してくれたら、その都度評価し、褒めてあげましょう。そうすることによって「この人は自分のことをきちんと見てくれているんだ」と思って、信頼関係を築くことができます。褒め方も、どこが良かったポイントなのか、どういう成長をしたのか、具体的に褒めるようにしましょう。
<後輩も会社に貢献していることを伝える>
褒める時に気を付けてほしい点が一点あります。それは、本人の能力は褒めないということです。能力を褒められると、褒められているうちは良い気分がしますが、失敗してしまった時に、上手くいかなかったのは、本当は自分には能力がなかったからだと思ってしまうからです。そのため、仕事へ取り組む姿勢や本人の努力など、後輩の行動を褒めるようにしてください。そして、後輩がしてくれた仕事が、会社にとってどのように貢献しているのか、明確にしてあげると、「自分は役に立っている」のだと実感することができます。
【叱り方】
<頭ごなしに怒らない>
時には後輩を叱るのも仕事のうちです。とは言え、褒めるのとは違い叱るのはエネルギーが必要となってくるため大変な仕事です。
叱る時は、まずなぜ叱るのか、その理由を具体的に説明しなければなりません。間違っても感情的に声を荒げたりしては、後輩の信頼を失ってしまうでしょう。「なぜ、それをしてはいけないのか、それをしなければならないのか」その理由とともに叱りましょう。後輩が起こしたミスの大きさに合った怒り方を心がけてください。ミスの大きさに合わせて、適切な語調を選びましょう。そうしないと、後輩もだんだんと「また怒ってるよ」としか思わなくなってしまったり、あなたに萎縮して怒られないようにとあなたに言われたことだけしかしなくなったりしてしまいます。
<解決策がわかったら、ほかのスタッフにも共有する>
発明王のエジソンは「失敗は成功の母」という名言を残しています。人間である以上時には失敗してしまうことは避けられません。ただ、失敗から学ぶことはできます。重大な事故には至らなかったものの、重大な事故がいつ起きてもおかしくない事例の発見はヒヤリハットと呼ばれています。重大な事故は小さな失敗の積み重ねで起きるものだと言われ、そのようなミスを防ぐことができれば失敗を最小限で食い止めることができます。
なので、どのようなミスがあったのか、どうやって解決に至ったのか、共有することで、チーム内のミス再発防止に繋げることができます。そのため、ミスを何でもかんでも叱ってしまうと、後輩は怒られないようにとミスを隠すようになってしまいます。もちろん、度重なる失敗に関しては叱る必要はありますが、チームで失敗を共有できる状況を作るのもあなたの仕事の一つです。
後輩を指導する際のポイント3:接客の指導方法
ここでは後輩を指導するポイントの3つ目として、「接客方法」をご紹介します。
<見本を見せて、真似してもらう>
まずは、自分が実際に接客をしている様子を見てもらいましょう。マニュアルだけでも十分ですが、実際の手振り身振りや表情など言語化できない部分についても重要な点がたくさん含まれています。
その際の注意点は、後輩にまったく同じように動くように求めず、要点だけを真似してもらうようにすることです。
<接客について指導する際も、理由を説明する>
前項で仕事を頼む際にも説明したように、なぜこのような作業が必要なのか、なぜこのような対応をしなければならないのか、なぜこのような声掛けをしているのか、理由を説明し、指導について納得してもらいましょう。
<実践してもらった後で疑問点や課題がないか聞く>
実際に後輩がお客様に接客をしてもらい、そこで湧いた疑問点や今後の課題が無いか聞いてみましょう。そして、どうしたら改善できるのか、一緒になって解決策を考えてあげましょう。
<教えた内容をノートなどにまとめてもらう>
また、指導する際には必ずメモを取ってもらってください。当たり前のことのように思われますが、メモを取らない人というのも少なくありません。自分でメモを取ることで、内容を整理することができるので、自分専用のマニュアルノートになりますから、必ずメモを取ってもらうように指導しましょう。
<後輩の接客を定期的にチェックする>
いくらメモを取っていても、人間は1度にたくさんのことを教えても全て覚えておけるわけではありません。後輩の接客を定期的にチェックし、褒めるところは褒め、叱るところは叱り、長い目で育てていってください。
後輩を伸ばすも潰すもあなた次第
いかがでしたでしょうか。アパレル業界はチームで仕事をすることが多く、販売員同士の連帯感がお店の雰囲気に直結し、売上を左右することになるでしょう。協力し高め合えるような関係になって最高のお店を目指してください。(modelpress編集部)
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