【調査】アパレルの仕事にやりがいを感じる瞬間・辞めたいと思う瞬間

【調査】アパレルの仕事にやりがいを感じる瞬間・辞めたいと思う瞬間

【アパレル/モデルプレス】華やかに見えるアパレル業界ですが、その仕事内容は大変なことが多いことでも有名です。そこで今回は、現在アパレル業界で働いている人たちに「仕事にやりがいを感じる瞬間」と「辞めたいと思う瞬間」、「アパレルで働き続けるメリット」について話を聞いてきました。現場働く彼らのリアルな声を紹介します。

【調査】アパレルの仕事にやりがいを感じる瞬間・辞めたいと思う瞬間(Photo by Africa Studio/Fotolia)

この仕事をやっていてよかったと思う瞬間は?

どんなに仕事が大変でも、続けることができるのは仕事にやりがいや魅力を見出しているからこそ。その具体的な内容を聞いてきました。

「アルバイトで入社したスタッフが、成長し、会社に共感し、正社員を目指してくれたとき。そして、その結果試験に受かったとき。『店長のおかげで、人生が変わりました。これからは自分で切り開いていきたいです』と言ってくれたときは嬉しくて思わず涙が出ました」(I・Tさん 店長)

自分が大切にしている仕事を通じて人が成長する姿をみるのは嬉しいものです。しかも、それを自分のおかげ、なんて言われたら、これ以上嬉しい言葉はありませんよね。

「自分が1から作り上げたコンテンツが数字につながったとき。仕事なので、特にかわいいとも思っていないアイテムを訴求しなければならないこともありますが、自分が本当に押したい商品についてのブログを書き、それが大きな反響を呼んだときは、この仕事のやりがいを感じます」(U・Kさん Web担当)

自分のした仕事が多くの人に影響を与えていることは、大きなやりがいにつながりますよね。

「遠方から来てくださるお客様から、『あなたのファンです。あなたからおすすめされるお洋服が好きだから、ここまで来ています。いつもありがとう』と言われたときは、とても嬉しかったです。この仕事をしていて良かったと本気で思いました。また、結婚式など何かのイベント用の服を買いに来て下さり、『この服で行けて良かった』と、その後に報告をしに来てくださるときなどもとても嬉しいです。」(M・Yさん 店長)

店長として、服を販売する仕事は当たり前のことですが、その仕事を通じて人が幸せになってもらえるのはやりがいがあります。おすすめした服に満足してもらえた時は、アパレル業界で働く人にとって最も充実した瞬間です。

「教育していた新人スタッフが、数週間後にはその業務をこなせるようになっていただけでなく、自ら進んで他のスタッフにアドバイスしているのを見たとき。私がやっていることは人に大きな影響を及ぼしているんだなと思った」(M・Oさん 店舗スタッフ)

アパレル店員というと、ただ服を販売しているだけの仕事と思われがちですが、接客だけでなく教育なども含めて、本当に人と関わることが多い仕事です。その関わり方によって自分だけでなく、周囲の人も変化、成長している姿を見ることにやりがいを感じる人は多くいるようです。

「自分のやったことが、具体的な成果としてあらわれたとき。以前、売上不振店舗のマネジメントを2年ほど任された結果、その店舗の売上が大幅に回復したこともありました」(S・Nさん エリアマネージャー)

仕事が具体的な数字となって見えることは、強いモチベーションになりますが、一方で怖さもあります。しかし、数字に真摯に向き合うこと、市場やお客様の動向を丁寧に観察することを続けることで、結果は必ずついてくると信じて頑張れることもマネージャー職の素質です。

「自分のアイデアが採用され、上司から褒められるときに一番やりがいを感じます。仕事を丸々任せてもらえるときも、頼りにされているようで嬉しいです」(N・Yさん アシスタントバイヤー)

アイデアが採用されることも上司から認められることも、どんな仕事でも嬉しいことですよね。特に最初の数年は大変な時期でもありますが、できることがどんどん増える時期なので、やりがいを見い出す人が多いようです。

アパレル業界の人に聞いた「もう辞めたいと思う瞬間」

三度の飯よりファッションが好き!という人でも、仕事を辞めたいと思う瞬間があるものです。それはどのようなタイミングなのでしょうか?

「店長という立場上、上司に怒られるより、部下の扱いに悩むことのほうが多いです。社会人経験が浅く、自分とはまったく違うバックグラウンドの人(パート主婦など)との協働がうまくいかないときは、自分はこの仕事に向いていないのではないかと思います」(I・Tさん 店長)

部下の扱いや指導に悩む店長は多くいるようです。アパレルが好きで始めた仕事なので、アパレル関係での大変さは乗り越えられるけれど、アパレルとは直接関係ない業務が苦手だったり、嫌だったりすることで辞めたくなるという意見はよく聞く話です。

「先のことを考え、不安を感じたとき。特にロールモデルにしたい上司がいなくて、店長になりたいとも本気で思えていないことに気付いたときは、この仕事を続けてどうなるんだろうと思いました。本当に好きなこと、新しいことに挑戦したほうが良いのかなと思うこともあります」(M・Aさん 店舗スタッフ)

ロールモデルになる人や憧れの人がいないと目標が定まらず、時間だけが無為に過ぎてしまうものです。その危機感や不安が、仕事を辞めるきっかけになる人は意外と多くいます。

「お客様からわけのわからないクレームを受け、そこに自分の時間を割かなければならないとき。また、スタッフに我の強い人が多く、思うように人間関係が築けないとき」(H・Kさん 店舗スタッフ)

どんな仕事でも人間関係で不満を感じることはあるものです。特に接客業では理不尽な体験が続くと、辞めたい気持ちが強くなるのも当然です。

「尊敬できない上司から自分のミスではないことで怒られたときや、改善提案などのアイデアがまったく浮かばないとき、繁忙期で残業三昧のときは辞めたくなります」(A・Nさん プレス)

仕事で理不尽な目に合う、業務をこなせていない、向いていないと感じて仕事を辞めたいと思うのは仕方ないですよね。そのような時に、職場に1人でも理解者がいたから続けることができた、という声もありました。

辞めずにアパレルを続けるメリット

辞めずにアパレルを続けるメリットは?/Photo by g-stockstudio

アパレル業界を辞めたいと思いつつも、辞められないという人の中には仕事にメリットを感じているから、という人も多くいました。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

<どんなビジネスにも共通する「基礎」が身に付く>

「別の業界に転職した友人から、アパレルで身に付けた接客スキルがとても役立っていると聞きます。人間の基礎的な部分を学べるので、アパレルでの仕事はためになると思いますよ」(M・Oさん 店舗スタッフ)

「販売員であれば笑顔やトーク力、店長であれば店舗運営ノウハウやマネジメントスキルなど、どんな仕事にも生かせるスキルと経験を培えるはずです」(Y・S スーパーバイザー)

「アパレルはそれでも服装の自由度が高く、おしゃれなスタッフや素敵な商品に囲まれて楽しく働ける職場だと思います。次に本気で挑戦したいことがない限り、続けたほうがいいでしょう」(I・T 店長)

アパレル業界で身につけることができるコミュニケーション能力やトーク力は他の分野でも通用するため、嫌なことがあっても、ある程度の期間は我慢して働き続けるという意見が目立ちました。

<昇格すれば給料が上がる>

「ブランドにもよると思いますが、店長やスーパーバイザーに昇格すると、いきなり給料がグンと上がる可能性が高いです!他の業界よりもたくさんもらえる場合もありますよ。アパレルに長く務めると、給料面でもメリットがあります」(D・Hさん 店長)

お給料が少ないイメージのあるアパレル業界ですが、実際には昇進、昇格でお給料がぐんと上がることもあります。その額によって、辞めたいと思うことはあるけれど、本当に辞めるほどではない、と思いとどまることも少なくないそうです。

<いろいろなキャリアプランを描ける>

「店長を経験すると、そこからいろいろな可能性が広がります。例えば私の場合、約1年半の店長期間を経て、社内公募でMDのポジションを受けました。現在は本部勤務をしています。私の同期は店長として海外の店舗で働いています。本人が志願したものです」(M・Tさん MD)

アパレル業界では店長になるまでと店長になってからでは、キャリアとして大きく異なります。どんなに辞めたいと思っている人でも店長までは頑張る、ということを目標に日々の仕事を頑張っている人は多くいるようです。

最後はファッションへの愛

いかがでしたでしょうか?アパレル業界は人と接したり、数字となって成果が上がったりすることにやりがいを感じやすい一方で、理不尽な目にあったり、将来への不安感で辞めたくなる人が多くいます。しかし、どのような状況でも、ファッションやアパレルへの愛が強い人は「やっぱり服が好き」「アパレルに関わっていたい」という気持ちで続けることができるようです。また、辞めたいと思っている時に限って、やりがいが感じられる場面に遭遇してしまう、という人もいます。ちょっとでも好きという気持ちがあるなら、ぜひ、やりがいやアパレルへの愛を思い出して、本当に辞めるべきなのか、じっくり考えてみることをおすすめします。(modelpress編集部)

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