アパレル業界には、様々な仕事が存在をしていますが、皆様は、生産管理という仕事をご存じでしょうか。生産管理は、アパレル業界の外からは見えにくい仕事であるため、あまり認知されていないようです。しかしながら、アパレル業界において、生産管理は、最も大切な仕事の一つです。そこで、本稿では、アパレル業界における生産管理の仕事について、ご紹介していきます。
アパレル業界の生産管理に関する基礎的な知識
アパレル業界の生産管理について、最低限、どのような知識が必須となるのでしょうか。まずは、「アパレル業界の生産管理に関する基礎的な知識」について、ご紹介していきます。
<生産管理が担う仕事の特徴>
アパレル業界において、生産管理は、商品の製造から納品まで、一連の工程の管理をします。アパレルメーカーや工場などにおいて、働くことになるケースが多いようです。基本的には、MD(マーチャンダイザー)と販売員との間に位置する存在であるということができるでしょう。ちなみに、MDは、商品を供給するための全体的な計画を立てます。具体的には、1.商品の販売戦略の考案、2.計画の立案、3.スケジュールの考案などを担当します。
<生産管理の重要性>
生産管理は、販売する商品を安定的に供給していくためには、欠かすことができません。経営状況に対して、大きな影響を与えることもあります。なぜならば、企業は、商品を効率よく生産して、利益を生み出していく必要があるからです。例えば、売れ行きの良い商品については、生産量を増やすなどの対応が必要になるでしょう。
<生産管理の仕事に必要なスキル>
生産管理の仕事に必要なスキルとしては、1.マネジメントスキル、2.基本的なビジネスマナー、3.語学力の3つを挙げることができるでしょう。まず、マネジメントスキルは、生産計画を確実に進めていくために必要となるスキルです。具体的には、1.製造工場や取引先に対する指示、2.数字の管理などを行っていくことになります。次に、基本的なビジネスマナーとしては、1.電話対応、2.メール対応、3.資料作成などに関するスキルを挙げることができるでしょう。なぜならば、生産管理は、社内外の関係者とのやり取りをすることがとても多いからです。そして、語学力についてですが、生産管理には、海外の工場との連携が必要になることが多くあります。具体的には、1.商品に関する指示、2.スケジュールの伝達などを行っていくことになります。
アパレル業界の生産管理が担う仕事の内容
アパレル業界の生産管理は、どのような内容の仕事を担当しているのでしょうか。それでは、「アパレル業界の生産管理が担う仕事の内容」について、ご紹介していきます。
<計画>
アパレル業界の生産管理は、MDが立てた販売計画に基づいて、商品の生産に関する計画を立てていきます。例えば、販売時期の計画や販売数の計画などです。なお、できるだけ在庫を残さないようにするためには、適切な数字の予測がとても大切になります。
<素材の調達>
商品の生産に関する計画を立てた後には、素材の調達が必要になります。その際、商品の生産に必要な素材の質・量・価格などを考慮して、調達を行っていくことになります。それぞれについて、関係者との交渉が必要となることも珍しくないようです。
<製造工場との交渉・指示>
素材の調達の後には、製造工場の選定が必要になります。製造工場の選定の際には、納品時期などに関する交渉なども行っていくことになります。加えて、生産管理から、製造工場に対して、商品の生産方法などに関する具体的な指示も行います。
<進捗の管理>
製造工場との交渉と製造工場に対する指示が終わった後には、進捗の管理を行います。進捗の管理は、MDが立てた販売計画を実現させるためには、最も重要なポイントであるということもできるかもしれません。製造工場に納期を守らせるためには、生産管理からの積極的な働きかけが必要となることも少なくないようです。
<商品のチェック>
アパレル業界の生産管理には、出来上がった商品のチェックをすることも求められます。もし、出来上がった商品のクオリティーなどが、製造工場側に求めた水準を満たしていないような場合には、再度の交渉・指示が必要となるということを意味します。
アパレル業界の生産管理に向いている人の特徴
アパレル業界の生産管理に向いている人には、どのような特徴があるのでしょうか。それでは、「アパレル業界の生産管理に向いている人の特徴」について、代表的な特徴を3つご紹介していきます。
<コミュニケーション能力が高い>
アパレル業界の生産管理に向いている人の特徴の1つ目は、「コミュニケーション能力が高い」ことです。アパレル業界の生産管理は、様々な関係者と関わる場面が多くあります。例えば、1.MD、2.販売員、3.社外の取引先などです。社内・社外において、交渉を行う機会が多いため、アパレル業界の生産管理には、高いコミュニケーション能力が求められることになるのです。したがって、所属や立場が異なる関係者とも良好な信頼関係を築くことができるようにならなければならないでしょう。
<マネジメントに適性がある>
アパレル業界の生産管理に向いている人の特徴の2つ目は、「マネジメントに適性がある」ことです。アパレル業界の生産管理には、生産の現場をまとめる役割も求められています。無理のない計画を立て、進捗の管理を行い、納期までに商品を仕上げていかなければなりません。したがって、常に工程の全体を把握しながら調整をすることができるマネジメント能力が必要となるのです。
<グローバルな仕事に関心がある>
アパレル業界の生産管理に向いている人の特徴の3つ目は、「グローバルな仕事に関心がある」ことです。海外に生産拠点を持っているアパレル企業はとても多いため、生産管理には、グローバルな視点も求められます。それぞれの拠点の状況をしっかりと把握して、全体にとって最適となるように商品の生産を進めていく必要があるのです。
生産管理は、とても重要な仕事を多く担当している
いかがでしたでしょうか?ここまでご紹介させていただいたように、アパレル業界において、生産管理は、とても重要な仕事を多く担当しています。本稿をきっかけとして、アパレル業界における生産管理に対する理解が深まり、興味を持ってくださるケースが少しでも増えてくだされば幸いです。(modelpress編集部)
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