アパレルバイヤーとはどんな仕事?必要なスキルと役立つ資格は?

アパレルバイヤーとはどんな仕事?必要なスキルと役立つ資格は?

アパレル業界の中でも特に人気が高いのがこの「バイヤー」の仕事です。そのお店やブランドの売り上げを直接左右する仕事といっても過言ではなく、相応に責任がのしかかってくる仕事ですが、その分やりがいや面白みがある仕事です。そんなアパレルバイヤーの仕事について、ご紹介していきます。

アパレルバイヤーとはどんな仕事?必要なスキルと役立つ資格は?/Photo by Getty Images

アパレルバイヤーの仕事内容

ブランドの売り上げを握るアパレルバイヤーとは、どのような仕事なのでしょうか。まずは、その内容について、ご紹介していきます。

<アパレル業界におけるバイヤーの位置づけ>

バイヤーとは、一般的に商品の買い付けを行う役割を担っています。アパレル業界に限らず、商品の買い付けを行う人はみんなバイヤーですが、特にアパレルバイヤーというと、とてもファッショナブルで、世界中のファッションを買い付けに回る行動力と決断力とを兼ね備えた憧れの職業といったイメージがついて回ります。しかし、アパレルバイヤーは、華やかなイメージとは裏腹に、実は非常に責任を伴う職業なのです。アパレル店舗の売り上げの殆どは、アパレルバイヤーが買い付けてくる商品にかかっていると言っても過言ではありません。

<バイヤーの仕事内容>

アパレルバイヤーは、買い付ける商品を選ぶために様々な仕事をこなします。まず、その時々のトレンドは、把握していなければ話になりません。したがって、世界中で行われているファッションショーや展示会への出席は、欠かせません。また、トレンドだけ把握していても、実際に買うお客様のニーズにこたえないと売り上げは思うように伸びていきません。この2つについて情報の収集・分析を終えたら、いよいよ買い付けです。ここでの手腕が、大きく売り上げに関わってきます。いくつ仕入れるか、いくらで仕入れるか、すべてバイヤーにかかっています。

アパレルバイヤーの魅力ややりがい

さて、アパレルバイヤーの仕事内容を紹介しましたが、次はやりがいや魅力についてもご紹介していきます。

<トレンドを生み出す>

アパレルバイヤーが世界中から買い付けてきた商品が、そのお店のトレンドとなります。自分が仕入れた商品が話題となり、トレンドとなるのは、ファッションが好きな人ならまさに憧れですね。

<高いビジネススキルが身につく>

アパレルバイヤーは情報収集・分析・値段交渉・買い付けなどの一連の作業をこなさないといけないために、相応のビジネススキルは必須になってきます。また、世界中を飛び回るため、語学力も身につき、優秀なバイヤーなどは、大口の商談を難なく取りまとめることができます。このスキルは、仕事に限らず、様々なところで役立ちます。

<世界中を飛び回れる>

モードの発信地であるミラノやパリをはじめとして、世界各地の様々な場所で行われているファッションショーや展示会に出席して、己のファッションセンスを磨くことは、アパレルバイヤーの重要な仕事です。仕事とはいえ、世界をまたにかけるのは、とても魅力的です。

<成果が数字に表れる>

バイヤーに限らず、アパレル業界は、完全な実力主義の社会です。自分が売り上げに貢献した数字の分だけ、給料にも影響が出ます。自身の努力に従って成果が実っていくのは、この業種の醍醐味です。これは、他の職種ではなかなか味わえない魅力です。

<自分が選んだ商品でお客様が笑顔になる>

トレンドを作り、それが売れれば自分の功績になり、自分の収入が増える、というアパレルバイヤーですが、やはり一番心が充足感を味わえるのは、自分が仕入れてきた商品を手に取ったお客様が喜んでくれている姿でしょう。その姿を見たいがためにバイヤーになったという人のほうが、お客様のことをよく見ることができているために、結果を残している人が多いです。

アパレルバイヤーに必要なスキル

アパレルバイヤーには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。それでは、「アパレルバイヤーに必要なスキル」について、ご紹介していきます。

<コミュニケーション能力>

アパレルバイヤーに必要なスキルの1つ目は、「コミュニケーション能力」です。アパレルバイヤーは、関係者に対して、適切に、かつ分かりやすく問い合わせ・依頼・指示などをしていかなければなりません。例えば、1.商品の種類、2.商品の数量、3.商品の輸送方法などを挙げることができるでしょう。加えて、仕入れ価格を下げることなどが必要になることも少なくないため、取引先との交渉力も求められます。

<数値管理能力・分析力>

アパレルバイヤーに必要なスキルの2つ目は、「数値管理能力・分析力」です。アパレルバイヤーは、データの適切な管理、およびデータの正しい分析ができなければなりません。例えば、1.売り上げの分析、2.客数の推移の分析などを挙げることができるでしょう。

<情報収集力>

アパレルバイヤーに必要なスキルの3つ目は、「情報収集力」です。昨今のインターネットの普及などによって、アパレル業界においても、様々な情報があふれるようになってきています。また、トレンドの移り変わりについても、より激しいものとなってきています。したがって、正しく情報を収集することができなければ、アパレルバイヤーとして、円滑に仕事を進めることは、難しいでしょう。

<語学力>

アパレルバイヤーに必要なスキルの4つ目は、「語学力」です。昨今の流通網の発達などによって、アパレルバイヤーの仕事のフィールドは、海外にまで大きく広がりました。それによって、語学力もアパレルバイヤーに必要なスキルの一つとなりました。もはや、英語を話すことができるというだけでは、武器にはならない時代に入っています。

アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格

アパレルバイヤーを紹介/Photo by racorn

アパレルバイヤーの仕事には、どのような資格が役立つと期待されるのでしょうか。それでは、「アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格」について、ご紹介していきます。

<販売士検定>

アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格の1つ目は、「販売士検定」です。販売士検定は、7700万人の受験実績を誇る商工会議所および各地商工会議所が実施する検定試験です。「リテールマーケティング検定」と呼ばれることもあります。具体的には、1.販売に必要な商品知識や販売技術、2.仕入れの管理、3.在庫の管理、4.マーケティングなど、より高度で専門的な知識を持つ人材の育成を目指した内容となっています。なお、販売士検定には、1級から3級まであります。

<ファッションビジネス能力検定>

アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格の2つ目は、「ファッションビジネス能力検定」です。ファッションビジネス能力検定は、一般財団法人日本ファッション教育振興協会が実施する検定試験です。ファッションビジネス能力検定では、1.マーケティングやマーチャンダイジングに関する理論、2.流通戦略、3.会計など、アパレルビジネスの全般にかかわる知識・技能について、学びます。したがって、アパレルショップの店長やオーナーなどを目指す人に適した資格であるといえるでしょう。なお、ファッションビジネス能力検定には、1級から3級まであります。

<ファッション販売能力検定>

アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格の3つ目は、「ファッション販売能力検定」です。ファッション販売能力検定は、一般財団法人日本ファッション教育振興協会が実施する検定試験です。ファッション販売能力検定では、アパレル店舗の管理・運営に携わる責任者を目指す人に必要な知識・技能を学びます。具体的には、1.ファッションやマーケティングに関する基礎知識、2.販売マナー、3.アパレル店舗の演出に関する知識などを習得することができます。なお、ファッション販売能力検定には、1級から3級まであります。

<TOEIC>

アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格の4つ目は、「TOEIC」です。TOEICとは、Test of English for International Communicationの頭文字であり、アメリカの非営利テスト開発機関ETS(Education Testing Service)が主催する英語のコミュニケーション能力を測定するための試験です。外資系企業をはじめとして、英語力を求める多くの企業では、採用選考の際の英語力の目安として、TOEICのスコアが用いられています。なお、最も一般的なテストは、TOEIC Listening & Reading Testです。

<英検(実用英語技能検定)>

アパレルバイヤーの仕事に役立つことが期待される資格の5つ目は、「英検(実用英語技能検定)」です。英検(実用英語技能検定)は、公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能の検定です。英語に関する検定としては、日本では、最も長く行われています。なお、英検には、1級から5級まであります。

アパレルバイヤーになるには

アパレルバイヤーになるためには、大きく2通りの方法が存在します。また、活かせる経験やスキルもたくさん存在します。

<売り場担当からキャリアアップする>

アパレルバイヤーになるためには、アパレルメーカーにおいて、売り場担当として経験を積んだのち、社内公募などを利用して、キャリアアップをするという方法があります。アパレル業界が未経験である場合には、基本的には、この方法がメインとなります。アルバイトからでも登用試験で正社員になってから同じ道をたどることが可能なため、間口は広いといえます。アパレル店舗での実地経験によって、コミュニケーション能力を身につけることができたり、お客様のニーズを間近で感じたりすることができます。社内公募があったときに慌てないように、普段からトレンドを追う癖を身につけたり、語学力を磨いておいたりなど、周到に準備をしておきましょう。

<アパレルバイヤーのアシスタントになる>

売り場担当からのキャリアアップという方法に加えて、求人を出している企業は限られますが、アシスタントバイヤーとして専門的に修行を積んでから、独り立ちしてアパレルバイヤーになるという方法もあります。この方法は、基本的には、アパレル業界内の転職が想定されます。最初からアパレルバイヤーとして経験を積めるため、アパレルバイヤーを目指したい人にとっては一番の近道といえます。

アパレルバイヤーの向き・不向き

いかがでしたか?重要なポジションでありながら、頼れるのは己のセンスのみ。そんなアパレルバイヤーは、かなり難関だと思われがちですが、センスは磨こうと思えば磨けるもの。自分のセンスを信じ、経験を積めば、アパレルバイヤーへの道は開けてきます。あこがれのアパレルバイヤー、あなたも挑戦してみてはいかがですか。(modelpress編集部)

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