間違った敬語使ってない?アパレル店員が身に付けたい正しい言葉遣い

間違った敬語使ってない?アパレル店員が身に付けたい正しい言葉遣い

【アパレル/モデルプレス】たくさんある職業の中でもアパレル店員はとくに多くの人と接する仕事です。ショップやブランドによっても異なりますが、それでも性別、年齢問わず、様々な属性のお客様と話す機会が多くあります。そのため、アパレル店員は正しい言葉使いができるということが大切な要素になります。そこで今回は間違った敬語をご紹介します。間違って使っている、思い込みで話しているというケースもあるので、ぜひ、この機会に確認してみてください。

間違った敬語使ってない?アパレル店員が身に付けたい正しい言葉遣い/Photo by Getty Images

接客業はマナーが大切

お客様と毎日接している店員は、まさにお店の顔と言っても過言ではありません。それだけに接客業としてのマナーは大切にしなくてはならないポイントです。

<使っていませんか?「バイト敬語」>

アパレル業界に限らず、バイトで接客したことがある人だと、なんとなく敬語が話せている、と思っている人も少なくありません。しかし、バイトの接客で使用されている敬語の中には、正しくない日本語や言い回しが少なくありません。よく耳にするフレーズでも、実は間違っている接客用語は「バイト敬語」と呼ばれます。正しくないにもかかわらず、間違った表現のまま多くのシーンやお店で使われるので、指摘されないと気づかないことも多いです。

<バイト敬語でクレームの原因になることも>

バイト敬語のやっかいなところは、間違っている敬語を使っていても、本人はきちんと接客していると思い込んでしまうところです。しかし、店員本人は正しく接客しているつもりでも、間違った敬語を使われてお客様が不快に感じ、クレームとなってしまうケースがあります。

クレームは無いにこしたことはありませんが、クレームによって指摘された点を改善できる余地があります。そのため、クレームが出たからと言って過度に落ち込むより、改善できるように行動を変えていくことが大切です。問題なのは、お客様はクレームを言わず、黙ってお店から離れてしまうというケースが非常に多いということです。そのため、クレームの有無にかかわらず、正しい敬語を早めにマスターするようにしましょう。特に、年配のお客様をターゲットにしたブランドでは、正しくない敬語を使うことでお店のイメージや売り上げを損なうことになるので注意が必要です。

間違って使いやすいNG敬語

ここからは実際によく使われているバイト敬語を紹介します。ショップ以外にも、多くの接客業で見聞きする言葉です。

<よろしかったでしょうか?>

お客様に確認する際に、よく使われる言葉です。一見、丁寧に聞こえる表現ですが、実は正しくない表現です。間違っているポイントは、過去形で聞いていることです。正しくは、現在進行形にして「よろしいでしょうか?」という表現です。

<了解しました>

「了解」という言葉は、相手の意思を受け取り、了承するという意味でよく使われますが、目上の人やお客様に対して使用する言葉としては不適切です。了解は対等、もしくは目下の人に使う言葉なので、お客様に対しては「承知しました」もしくは「かしこまりました」と言いましょう。

<なるほどですね>

相手の意見に同意や尊重の意思を伝える時によく聞く表現です。親しみを込めて使う人もいますが、「なるほど」という言葉は、目上の人が同等、もしくは目下の人の意見を聞いた時に使う言葉なので、目上の人やお客様に対して使う言葉としてふさわしくありません。この場合には、シンプルに「そうなんですね」と返すのがスマートです。

<◯◯のほう>

普段から話上手と言われている人に多い言い間違いの一つです。「色違いのほう、お持ちしました」「こちらのほうでよろしいですか?」など、リズムとして悪くないため、聞き手も話し手も違和感がないケースもあります。しかし、厳密には「ほう」という表現は方角を示す時に用いられる言い方です。そのため、洋服を指す場合には「色違いをお持ちしました」「こちらでよろしいですか?」という表現が適切です。

接客時の間違った敬語

正しい敬語を身に付けよう/Photo by Stock-Asso

ここからは間違った敬語について紹介します。接客時に正しいと勘違いして使っていませんか?

<◯◯になります>

丁寧な印象の言い回しなので、間違った敬語だと思わずに使っている人が多い表現です。例えば、「新色になります」「入荷したばかりのアイテムになります」などで、よく使いがちです。しかし、「なります」は変化を表す場合に使う言葉なので、変化しない商品に対して使うのは間違っています。「○○でございます」もしくは、シンプルに「◯◯です」という言い方が正しい敬語です。

<◯◯円からお預かりします>

いかにも、正しい敬語のようですが、これも間違った敬語です。この言い方では、お金を「お客様」ではなく、「◯◯円」から預かることを意味するからです。日本語の丁寧語や謙譲語の中には動作をする人を明確にしないようにすることもありますが、敬語では動作する人を隠すことはあっても、誰が動作をしているのかをわかりにくくする表現は基本的にありません。この場合の正しい表現は、「◯◯円お預かりします」もしくは「◯◯円頂戴します」です。

<◯◯円、ちょうどお預かりします>

お客様からお釣りのないようにお金をいただいた場合によく聞く、間違った表現です。間違っているのは、ちょうどの金額をいただいているのに、「お預かり」という表現をしていることです。支払いの時のやりとりで「お預かり」という時には、指定されている金額よりも多くをいただいている時です。後で、多く預かった分をお返しすることになるので、一時的に「預かる」という状態なのです。ここでは「◯◯円、ちょうどいただきます」と言いましょう。

<とんでもございません>

お客様にお礼を言われたり、褒められたりしたときに、謙遜する意味で使われる言葉です。日常的に使わないからこそ、間違って使っていても気づかないかもしれません。しかし、この言い方は「とんでもない」で一語となり、これに「ございません」をつけるのは日本語の表現自体としても不適切です。もし言うのであれば、「とんでもないことでございます」が正しい表現ですが、すこし堅苦しい印象を与えてしまうので、「とんでもないことです」や「恐れ入ります」という言い方にしましょう。ただし、お客様からのお礼や褒め言葉に対して、否定することは、時としてお客様の善意や好意を無駄にすることになります。続けて、「ありがとうございます」や「光栄です」などをシーンによって言い添えることをおすすめします。

接客のプロとして適切な日本語を使おう

いかがでしたでしょうか?間違った敬語を使ってしまうのは良くないことですが、お客様への態度として丁寧な言い回しを心がけることはとても素晴らしいことです。ただ、周囲で使われているからといって、その表現が必ずしも正しくないこと、曖昧な知識をもとにしてお客様の接客で使うことに対して、もっと注意を払うようにしましょう。アパレル店員は服のプロとしてお客様の前に立ちますが、その時には接客のプロフェッショナルでもあります。言葉を使うプロとして、正しい表現や、適切な場面での言い回しについてきちんと習得して、お客様に信頼されるアパレル店員になってくださいね。(modelpress編集部)

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