プロパー価格とは?アパレル店員なら知っておきたいファッション用語

プロパー価格とは?アパレル店員なら知っておきたいファッション用語

【アパレル/モデルプレス】アパレル業界には数多くの専門用語があります。一般の人であれば、知らなくても当然ですが、アパレル店員で知らないと思わぬところで恥をかいたり、場合によっては迷惑をかけたりしてしまうこともあります。そのようなことにならないよう、わからない言葉に出会ったら曖昧なまま使用せず、きちんと調べておきましょう。今回は、プロパー価格の意味についてご紹介します。

プロパー価格とは?アパレル店員なら知っておきたいファッション用語/Photo by Getty Images

プロパー価格って何?

聞いたことはあるけれど、正確な意味までは知らない、という人も多いプロパー価格。ここでは、プロパー価格の意味についてご紹介します。

<「プロパー(proper)価格」とは?>

プロパーは、「正規の」「本来の」という意味の英語です。ファッション業界では「値下げをしない定価(正規価格)」であること、または、正規価格の商品を指す言葉として用いられます。プロパー価格のほかにも、「フルプライス(FP)」「メーカー希望小売価格」と呼ばれることもあります。複数の言い方があることや、状況によっては価格を意味する場合と商品を指す場合があるため、正確な意味が把握しにくいことも少なくありません。この機会に正しい意味を整理しておきましょう。ただし、店舗やブランドによっては、それぞれの言葉をシーンによって使い分けされている場合があることも知っておきましょう。そして、業務中に指示された場合に、言葉の意味が不明瞭だと感じたら、思い込みで判断せず、きちんと意図を確認するようにしましょう。

<そのほかの使い方>

プロパーを使った言葉として、流通業界では「プロパー商品」という使い方をすることもあります。これは卸売業者から小売業者に卸される正規の商品という意味です。また、クレジットカードで「プロパーカード」という名称もあります。この場合は、他社と提携せずに金融機関などが独自で発行するクレジットカードのことを指します。さまざまな場面や商品、サービスで用いられることの多い言葉ですが、どのような場合でも、「正規の」「本来の」という意味で使われています。

価格に関するファッション用語

プロパー価格のほかにも、価格に関する専門用語は多く存在します。ここでは、価格に関するファッション用語の中でも代表的な言葉についてご紹介します。

<上代(じょうだい)>

上代は商品の標準小売価格のことで、プロパー価格と同じ意味で用いられます。上代は、一般的に商品を販売した際に、原料費、製造費、必要経費などの固定費などを含めた価格に設定されています。

<下代(げだい)>

下代は、小売店が商品を仕入れるときの取引価格のことです。卸価格や仕切り価格とも呼ばれます。プロパー価格は同じでも、メーカーや取引条件などによって、下代の価格は異なることは珍しくありません。主要な取引条件例としては、仕入れ量を増やすことで下代を安く設定する、などです。経済学ではスケールメリットと呼ばれる現象ですが、このような価格の下げ方でも利益が確保できるのは、商品ごとに設定されている必要経費などの固定費をまとめて販売することで、必要経費を減少させることができ、その分を割引金額に充てることができるためです。

<掛け率>

掛け率とは、上代に対する下代の比率のことです。この比率は、商品を小売価格の何%で仕入れることができるかを示しています。小売店にとっては、掛け率が低いほうが、商品の仕入れ価格が低く抑えられるので、売上利益が高くなることになります。掛け率は、ブランドや店舗によっても異なりますが、一般的には50~60%となっているケースが多いようです。小売店では、こうして安く仕入れた商品をプロパー価格で販売することで、最大の利益を得ることができるようになっています。しかし、実際には、プロパー価格から割り引いた価格での販売や売れ残る商品などが出ることは珍しくありません。そのため、そのような商品があることを予め想定したうえで仕入れ価格を決定されています。

商品はできるだけプロパー価格で売る

プロパー価格の意味を紹介/Photo by Iakov Filimonov

アパレル業界では、プロパー価格で販売することをよしとする風潮があります。ここでは、プロパー価格で売る理由についてご紹介します。

<値下げロスを減らす>

商品を販売する立場からすると、プロパー価格で商品を買ってもらえることは、それだけ売り上げが増えることを意味します。それは、値下げロスを減らすことができるからです。値下げロスとは、プロパー価格から値下げを行うことで発生する売上金額の損失のことです。流行り廃りの早いアパレル業界では、シーズンを過ぎた商品が売れ残ることは珍しくありません。しかし、商品が売れ残ることは、まったく売り上げが入らないことを意味します。そのため、売り上げがゼロになるよりは、利益率を下げてでも売り切るために値下げを行います。この時、プロパー価格と実際に販売した価格の差が値下げロスになります。

<プロパー消化率を上げる>

プロパー消化率とは、期間内に販売した商品のうち、プロパー価格(定価)で売れた商品との比率のことです。反対に、販売した商品のうち、値下げ価格で売れた商品の比率は「セール消化率」と呼ばれます。プロパー消化率が高いほど、安定的な利益を出している指標になります。各店舗では、できるだけプロパー価格で商品を売るため、プロパー消化率アップに向けた販売計画を立てることが必要になります。

プロパー価格での販売は店舗だけでなく、お客さまにもメリットになる

いかがでしたでしょうか?消費者としてアパレル店舗を訪れるとき、セール品で購入することに喜びや楽しみを感じる人も少なくありません。そのため、売り場に立ったときに正規の価格で販売することに対してためらいを感じるアパレル店員もいます。しかし、プロパー価格で商品を販売することは、店舗側だけでなく、長い目でみるとお客さまにもメリットがあることを忘れてはいけません。それは、プロパー価格での販売によって、ショップやブランドは商品の質の維持、接客などのサービスの質の向上ができるという面があるからです。アパレル店員には、プロパー価格での販売の必要性を知ることと同時に、プロパー価格で購入してもらうために、お客さまに気持ちよく買い物をしてもらう努力をすることが求められます。ぜひ、アパレル店員として、プロパー価格に誇りと責任を持てる仕事をしていきたいですね。(modelpress編集部)

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