【アパレル/モデルプレス】ファーフリー宣言という言葉を耳にしたことはありますか?ファーフリー宣言とはラグジュアリーブランドで盛んになっているリアルファーに関する取り組みです。ファーフリー宣言をするには、ブランドアイテムに使用するファーなど、決められた条件を満たす必要があります。では、なぜラグジュアリーブランドはリアルファーを使用することに反対しているのでしょうか。今回は、リアルファー使用に反対するブランドやその理由についてご紹介します。
ファーフリー宣言とは?
まずは、ファーフリー宣言と、どのようにファーフリーの考えが広がった経緯をご紹介します。
<ファーフリー宣言について>
ファーフリー宣言とは、ラグジュアリーブランドが「これからはブランドアイテムにリアルファーを使用しない」と発表することを指します。
<世界のラグジュアリーブランドが続々とファーフリー宣言をしている>
このファーフリーは、海外セレブや著名人らが「リアルファーをファッションに取り入れない」と宣言したことでブランドにも広まりました。そして2017年10月、ついに「GUCCI」が2018年春夏コレクションからリアルファーを使用しないことを発表しました。世界的に有名なブランドであるGUCCIが宣言したことによって、ラグジュアリーブランドでファーフリーブランドが話題になったのです。
それでは、ファーフリー宣言とは具体的にどのようなことを行なうのでしょうか。ファーフリー宣言をし、ブランドアイテムにリアルファーを使わないとしたブランドは、国際連盟であるFur Free Alliance(FFA)によって「FUR FREEブランド」として承認されます。2017年9月現在で、世界中で750以上ものブランドがFFAからFUR FREEブランドとして承認されています。
ファーフリーの条件
FFAからFUR FREEブランドとして承認されるためには、いくつかの条件があります。次は、このFUR FREEの条件についてご紹介します。
<ファー製品に使われる主な動物>
ブランドアイテムで使われていたリアルファーの主な動物は、ミンク、ラビット、フォックス、ラクーンドッグ、チンチラなどです。これらの動物の命が毛皮のために犠牲になっています。
<ファーフリーの条件>
ファーフリーの条件は、ブランドすべてのアイテムでリアルファーを使用した製品を製造・販売しないことです。アパレルアイテムだけではなく、アクセサリーやそのほかのアイテムにもリアルファーを使ってはいけません。ただし羊皮や牛皮、馬皮を使用しないことは条件に含まれていません。
<ウールや牛皮などすべての動物性素材を使わないブランドもある>
ファーフリーの条件には入っていませんが、なかにはウールや牛皮なども使用しないブランドもあります。このように徹底してすべての動物性素材を使わないブランドもあります。
ブランドがファーフリー宣言をする理由
今までリアルファーを使っていたブランドがファーを使わないとしたのはなぜでしょうか?ブランドがファーフリー宣言をする理由を3つご紹介します。
<動物愛護の観点>
まずは1つ目の理由は、動物愛護の観点からのリアルファー使用中止です。ファーは、動物から毛皮を剥いで製造していました。その毛皮を剥ぐ様子や過程がSNSやYouTubeで広まり、その残虐性が広く知られるようになり、問題視する声が挙がるようになりました。これによって多くの人が、動物が苦しまないために企業がリアルファーを使用することを辞めさせる運動が起こりました。
<消費者にもファーフリーの考えが広まっている>
インターネットの普及により、消費者にもファーフリーの考えが広まりました。そのため、ブランドがリアルファーを使ったアイテムを販売すると消費者からクレームが多く届くようになりました。このような顧客の声を取り入れるために、ブランドがファーフリーを決断しています。
<フェイクファーの技術向上>
フェイクファーとは、リアルファーを模して製造されている人工の毛皮です。化学繊維や羊毛などで作られるため、動物の命を犠牲にせずに製造することができます。このフェイクファー製造の技術、そしてファーの質が向上しているため、リアルファーを使用しなくても高品質のアイテムの販売が可能になりました。さらに、フェイクファーを使用した方がリアルファーよりも安価で丈夫なアイテムを作ることができ、購入後の手入れも楽であるというメリットもあります。そのため、ファーフリーの動きもさらに加速しました。
動物に優しいファッションを楽しむ
いかがでしたでしょうか。ファーフリー宣言は、ファッションで犠牲になっていた動物たちを守るための取り組みです。ブランドアイテムを購入する私たち1人1人がファーフリーの考えを持つことで多くの動物たちを救うことができます。また、フェイクファーの品質も良く、手入れがリアルファーに比べ簡単であるなど多くのメリットがあります。リアルファーを使わないブランドアイテムでファッションを楽しむという選択肢も考慮してみてください。(modelpress編集部)
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