2019年11月に立ち上げたライフスタイルブランド「KIKI AND DAYS(キキ アンド デイズ)」のディレクターを務めるアーティストの伊藤千晃(33)がモデルプレスのインタビューに応じた。
伊藤千晃「KIKI AND DAYS」ディレクターの仕事内容
― 「KIKI AND DAYS」ディレクターとしての仕事内容を教えてください。
伊藤:ブランドの方向性や、コンセプト、どんなものを作っていくのか、できあがった商品のチェック、写真セレクトなどECサイトのクリエイティブの部分など、細かいところのチェックをしています。あとは、「KIKI AND DAYS」のアイテムをどういう人たちが買ってくれたのか、そのユーザーはどういう女性なのかまで絞り込んで、その人たちにきちんと提供できる商品を考え出しています。基本的には、全部の部分に関わっています。
― これまでディレクターとして働いてきて、やりがいや苦労したことも教えてください。
伊藤:ディレクター業は楽しくやっています。自分が作りたいと思っていた商品が実際に出来上がったときの喜びや、自分の頭の中でイメージしたものに寄せていく作業が好きなので、すごく楽しいなって思います。さらに、それを実際に自分が手にとってみて、着てみて、撮影してもらって、それをみんなが見てくれる。今までは、出来上がったものを撮ることの方が多かったので、ゼロから作り出すということにやりがいを感じています。
苦労したことは、自分の思い通りに上がってこなかったものを、そこから自分のイメージに近づけていくことです。音楽と違って、形として残るので、すごく難しいなって思うのと、人によって求めてるものは違うので、私のイメージを起点に、どうすれば沢山の人たちに手に取ってもらえる商品として世に出せるものになるかを考えることも難しい作業ではありますが、実際に商品を手に取ってもらえるところが実感できると、それが充実感になるからすごく楽しんで作業を続けられています!
伊藤千晃「KIKI AND DAYS」立ち上げのきっかけ
― 昨年11月に「KIKI AND DAYS」を立ち上げましたが、いつ頃から考えていたのでしょうか?
伊藤:ブランドを立ち上げたいとは、昔から思っていたのですが、それをいつのタイミングからやりたいという明確なビジョンとかは持っていなくて。こういうことを将来やっていきたいという話をしていた中で、1年ほど前、たまたま「伊藤さんと一緒にやってみたいです」と言ってくれたチームとの出会いがきっかけです。
芸能界デビューしてから今まで、コスメやファッションに興味があり勉強をしてきました。そのおかげでいろんなブランドとのコラボや、コスメの雑誌とかからもオファーをいただけたりしたので、ブランドを立ち上げたらその経験を活かしたいなと思っていました。
― どんなことがきっかけで小さいときから興味を持っていたのでしょうか?
伊藤:私、三姉妹の末っ子として育ったのですが、姉にすごく憧れを抱いていました。1番上の姉は6つ歳が離れているので、私がまだ小さいときから姉はヒールを履いて、巻き髪にして、盛っていました。名古屋なので…(笑)。おしゃれを楽しんでいるんだなって、小さいながらに思っていたので、たぶんそれが影響しているんだと思います。
― アーティスト業と、ディレクター業、どのように両立しているのでしょうか?
伊藤:両立は一人ではできないので、周りにいるスタッフさんたちと、スケジュールをパズルのように組み合わせてもらって、この時期はどこに注力すればいいのか、話し合いながら進めています。やっぱりチームとの話し合いが大事だと思います。
― 普段どのようにファッションや美容情報を取り入れていますか?
伊藤:今は便利な時代なので、基本はSNSです。あと、私はお仕事上プロのスタイリストさんやメイクさんと関わることが多いので、その方たちから話を聞くこともあります。
― 「KIKI AND DAYS」を通して伝えたいことを教えてください。
伊藤:1番伝えたいことは、やっぱり物への愛情です。特別な物って、物だけじゃなくて、そこに人の思いも入ると思うんです。だから、そこにただの雑貨ではなく、自分が思いを込めて買った雑貨だからこそ、ずっと大事にしたいなって思ってもらえるようなブランドになってほしいです。
― ディレクターとしての今後の目標も教えてください。
伊藤:ブランドを立ち上げたばかりですが、「KIKI AND DAYS」のことを好きって言ってくださるユーザーさんが満足するものを常に届けられたらいいなと思っています。そのために私も勉強して成長していきたいです。最近はサスティナブルという言葉もよく聞くので、満足してもらえるものを作るだけでなく、自分たちが暮らす地球のことを考えていきたいと思っています。
伊藤千晃が一緒に働きたいと思う人とは
― ディレクターとして、どういう人たちと一緒に働きたいと思いますか?
伊藤:自分と相性の良い人と働くことって重要なことだと思います。だから、きちんと意見を出し合える人、常に思いやりの気持ちがある人と仕事がしたいと思います。あと、広い言い方ですけど、愛がある人がいいですね。その愛を私がわかりやすく感じることが出来る人と働きたいです。
― 「KIKI AND DAYS」は、何人くらいのチームで、どのように動いていますか?
伊藤:10人ぐらいのチームとして動いています。アパレル企業のように、細かく区切っていないのですが、WEB部門、アパレル部門とかにわかれています。基本、みんながみんなの仕事を把握しているので、全体会議を定期的にやっていて、方向性がズレないようにしています。
― ディレクターを目指している人に向けて、身に付けておいた方がいいことはありますか?
伊藤:自発的に何か特定のことをやりたいと思う人が向いている仕事だと思います。やりたいって気持ちに勝るものはないので、やりたいと思うのであれば、どうやってやるんだろうって自然と情報収集すると思います。あとは、情報収集って本当に大事なので、ディレクターという存在をたくさん知ることだったり、目標となる人を掲げておいたりすると、自分がそこに向かって動きやすいと思います。
伊藤千晃、夢を叶える秘訣を語る
― 仕事選びに悩んでいる人にアドバイスもお願いします。
伊藤:自分の本当にやりたいことを見つける作業に、エネルギーを使った方がいいと思います。もちろん、自分のやりたいことと自分の出来ることって違うのですが、やっぱり自分のやりたいことをやれないって引きずっちゃうと思うんですよね。自分のやりたいことが出来なかったけど、今の道で良かったって思えることもあると思うのですが、まだなにも経験していないのであれば、「やってやれ!」という純粋な気持ちで乗り越えていけることってあると思います。この世の中には何万という職業があるので、途中で諦めてもいいので、自分が好きだなって思えるものに手を伸ばしてみた方が私はいいと思います。
― 最後に夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えてください。
伊藤:原点に戻れるものを作ったり、メモ帳に目標を書いておいたりしておくといいかもしれません。例えば「ディレクターになりたい」ということを自分のノートに書いておけば、挫折しそうになったときにそれを見返すと、そのとき書いた文字がパワーになったりします。「あ~このとき私はなりたいって思っていたな」って思うと、「こんなところで逃げ出すわけにはいかない」って気付かされるし、「こんなマイナスな気持ちになっていたらダメだ!もう1回頑張ろう!」って気持ちをリセットできるきっかけになると思います。ディレクターになりたいと思って、良いものを買ったりしてもいいと思います。例えば、自分の好きなバッグでもいいので、そういうものを取っておいたりすることで、原点に戻れて「よし、絶対に夢を掴んでやる」って前に進めると思います!
― 素敵なお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
伊藤千晃(いとうちあき)プロフィール
1987年1月10日生まれ。愛知県出身。
2018年9月にソロとしてアーティスト活動を本格始動。2019年11月には1stアルバム「Be」をリリース。今年7月29日に新曲「summer memories」をデジタルリリースした。
美容誌でモデルとして活躍しながら2019年11月にライフスタイルブランド「KIKI AND DAYS」を立ち上げ、ブランドディレクションを行うなど幅広く活躍中。野菜ソムリエの資格も取得し、美容・ファッションに関する豊富な知識で同世代の女性からの支持も高い。