アパレル企業のCSR活動は何をしている?消費者にもできることって?

アパレル企業のCSR活動は何をしている?消費者にもできることって?

【アパレル・CSR/モデルプレス】最近よく目にするCSR活動という言葉。簡単に言えば、企業が社会においてどれだけ寄与しているかを表す、社会貢献活動です。昨今では、ただ物を堅実に売っているだけでは企業として確固たる信頼を得るのは難しく、CSR活動を通じて自社ブランドの価値を上げている企業も多く存在します。そんな中でアパレル企業はどういったCSR活動を行っているのでしょうか。今回は、大手アパレル企業を参考に、CSR活動についてご紹介します。

アパレル企業のCSR活動は何をしている?消費者にもできることって?/Photo by Africa Studio

「CSR」とは?

まずは、CSR活動がどういったものかわからない、または言葉だけ知っているという方のために、CSR活動がどういったものか概説します。

<CSRの意味>

CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、それぞれの単語の頭文字をとったものです。日本語にすると「企業の社会的責任」。社会が健全に発展していくにあたって、一企業ができることは何か、社会においての企業としての責任という点に焦点を当てた取り組み・活動の事を概してCSR活動と呼んでいます。

<CSRの目的>

CSR活動は、一企業が社会に与える影響を考慮し、何を寄与できるか考えたうえで様々な取り組みを実施し、最終的に企業の信頼をたしかなものにすることを目的としています。

<CSRとボランティアの違い>

ボランティアは個人が行う社会貢献活動ですが、その多くは個人の意思によるのもので、一時的な活動になりがちです。一方、企業が行うCSR活動は、社会貢献もさることながら、企業イメージの広報的な役割も兼ねているため、活動には相応の資金が必要になります。充実したCSR活動を行えるというのは、それだけその企業に余裕があるという象徴でもあります。

アパレル企業が行っているCSR活動の事例

さて、CSR活動がどういったものかわかったので、実際にアパレル企業が行っているCSR活動をご紹介します。

<ユニクロ>

言わずと知れた大企業のユニクロでも、もちろんCSR活動を行っています。基本の活動として、古くなってしまった商品や、着なくてタンスに眠ってしまっているようなユニクロ系列の商品を回収し、難民など必要としている人たちへ還元するリサイクル活動を行っています。また、大地震や洪水被害などの突発的な自然災害によって被災してしまった人たちに衣料を提供することも。2011年の東北大震災のときも多数の衣料を提供しました。

さらにCSR活動の一環として、障害者雇用率の増加を目指しています。実はユニクロの障碍者雇用率は大手企業の中で一番です。一店舗一名以上を目標に障碍者をコンスタントに雇用しています。

瀬戸内の自然を守ることを目的とした瀬戸内オリーブ基金への協力も積極的に行っており、店頭に募金箱を置いてある光景もよく見られますね。

<H&M>

H&Mの主な取り組み方針は「動物保護」にあります。人間が生きていくために、そして人間への安全性を保障するために、マウスやウサギを用いた動物実験は日常的に行われています。しかし、こうした動物実験は時に悲惨な現状があり、異議を唱える人は少なくありません。そのような中、H&Mでは安全性を確保するための動物実験を行わないということを宣言しています。

また、ファーやレザーの確保に動物が殺されることにも着目し、こうした動物性のものを利用した製品を販売していません。ウールは羊の毛を刈って採取されますが、これも動物福祉に反した行為が行われていることがあります。

羊の臀部には毛が特に密集して生えており、適切な処理を行わないと、糞尿にまみれて不衛生な状態になることがあります。この状態が続くことで蛆が寄生し、さらには増殖することで羊の体内に蛆が侵入し、死亡する例も報告されています。

これを防ぐために、臀部の皮膚を肉ごと切除し、毛が生えないようにするミュールシングという処置が行われますが、実はこれが無麻酔で行われることが多く、動物虐待につながっています。H&Mではミュールシングを行っていない羊群からウールの提供を受けています。

また、環境にも配慮し、有害な化学製品を厳格に規制しています。衣料のもととなる綿の農場や、工場は開発途上国にあることが多いですが、そこでは不当な条件で働かされている人が多くいる現状があるため、こうした労働条件の改善にも取り組んでいます。

<GAP>

大企業が環境に与える影響は計り知れません。衣料をつくる工場では様々な化学物質が使われており、工場が稼働に伴いCO2も多く排出されます。GAPではそうした環境破壊に着目し、自社工場からでる汚染物質をなるべく削減し、環境保護に寄与することをCSR活動の根幹にしています。また、もうひとつ注力している分野にキャリア支援があります。GAPは、女性の社会進出を支援や、若者が安心して働けるような社会づくりを目指しているNPO法人と協力を積極的に行っています。

アパレル企業のCSR活動を通じてできること

CSR活動とは/Photo by Monet

では、私たちはその活動を知った上でどうすべきか、そして生産者は何を軸に活動をしていくのか、それぞれの立場になって考えてみましょう。

<消費者側>

まずできることは、衣類を安易に廃棄しないことです。自身には不要になった衣類でも、それらを求めている人は大勢います。なるべくリサイクルに出し、ゴミとしての衣料を出さないようにしましょう。

また、アパレル企業のCSR活動は、上の事例をみても分かるように自社の商品に直接かかわっており、CSR活動を通じて商品に付加価値が付くようになっています。企業のCSR活動をチェックして、その商品がどのように生産されているのか、自然環境や動物への配慮がなされているのか、きちんと確認して、自分が納得できるものを購入するようにしましょう。

<生産者側>

生産者は、自社の利潤追求だけではなく、商品を製造販売する上で、関わる全ての人や動物への幸せを願わなければなりません。自社だけではなく、消費者側の利益も追求する必要があります。それには、日々商品の品質改善や安全性についての向上に務める必要があります。

簡単にできる社会貢献

いかがでしたでしょうか。アパレル企業に関するCSR活動を中心にご紹介しましたが、どの企業でもCSR活動は行っています。そうした活動に目をむけ、一番社会に貢献できている商品を選んで購入するだけで、あなたも十分に社会貢献をしていることになります。それは、人や動物、さらには地球全体のためになるのです。(modelpress編集部)

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