トルソーの意味とは?マネキンとの違いとアパレル業界での役割

トルソーの意味とは?マネキンとの違いとアパレル業界での役割

トルソーは、アパレル業界では、必要不可欠とされるディスプレイツールの一つです。同じようなディスプレイツールとしては、マネキンがありますが、実はマネキンとトルソーとの間には、大きな違いがあります。アパレル業界では、それぞれ用途に合わせて、マネキンとトルソーは、使い分けられています。それでは、マネキンとトルソーは、どのように使い分けられているのでしょうか。本稿では、アパレル業界でのトルソーの意味やマネキンとの違い、トルソーの役割について、ご紹介していきます。

トルソーの意味とは?マネキンとの違いとアパレル業界での役割/Photo by Africa Studio

トルソーとは?

トルソーという言葉自体は耳にしたことがあるという方も多いかもしれませんが、具体的には、どのようなものなのでしょうか。まずは、トルソーに関する基礎的な知識やマネキンとの違いについて、ご紹介していきます。

<トルソーって何?>

トルソーとは、アパレルショップなどにおいて、販売用のアイテムを着させて、店頭などでディスプレイするためのツールのことを指します。なお、トルソーは、「ボディ」と呼ばれることもあります。

<トルソーの意味>

トルソーは、イタリア語の「torso(胴体)」が由来になっています。つまり、人の頭部・両腕・両脚を除いた胴体部分を意味します。

<マネキンとの違い>

もともと、マネキンという言葉は、販売員やその職種のことを指す言葉として用いられていました。しかし、日本では、そのような意味の言葉として使われることは少なく、マネキンは、「マネキン人形」を指す言葉として、一般的には用いられています。

マネキンとトルソーは、どちらも洋服を着せるための人形です。マネキンとトルソーの相違点としては、マネキンは、頭部・両腕・両脚の全身があるディスプレイツールであるのに対して、トルソーは、胴体部分のみである点を挙げることができます。

マネキンは、全身人形であり、硬い素材を使用しているものが多いので、ディスプレイするアイテムにスタイリッシュな雰囲気を出したい場合や高級感を持たせたい場合に使われることが多くあります。一方、トルソーは、胴体のみの人形であり、素材も布などの柔らかいものが一般的です。そのため、トルソーは、ふんわりとしたナチュラルな雰囲気でディスプレイしたいときによく用いられます。また、トルソーは、柔らかいため、ピンを刺すこともできる点がマネキンとの違いです。このように、トルソーには、ピンを刺すこともできるので、縫製途中であってもアイテムの形を作り出すことができます。

トルソーの種類

アパレル業界で多く使われているトルソーには、その用途によって、複数の種類が存在します。それでは、アパレル業界で働く上で知っておきたい「トルソーの種類」について、ご紹介していきます。

<ディスプレイ用>

アパレルショップなどで見かけるトルソーは、ディスプレイ用のトルソーです。ディスプレイ用のトルソーには、アパレルショップで取り扱っているアイテムを、トルソーを使ってディスプレイすることによって、よりアイテムのイメージがお客様に伝わりやすくするという効果を期待することができます。また、お客様にコーディネートのご提案をする場面でもディスプレイ用のトルソーが利用されます。このように、ディスプレイ用のトルソーを使うことによって、お客様にアイテムをアピールすることができるだけではなく、ショップの雰囲気作りもすることができます。それでは、ディスプレイ用として使われているトルソーを2つご紹介します。

よく使われているディスプレイ用のトルソーとしては、布張りのトルソーを挙げることができます。布張りのトルソーは、塗装仕上げのトルソーよりも比較的安価で手に入れることができます。また、柔らかい雰囲気を演出してくれるため、カジュアルファッションに向いているトルソーです。

布張りのトルソーと同様に、ディスプレイ用として使われることが多いのが塗装仕上げのトルソーです。塗装仕上げのトルソーは、よりリアルな造形が特徴です。そのため、インナーやランジェリー、水着など、露出が多いアイテムに向いているトルソーです。

<ソーイング用>

ソーイング用のトルソーは、アパレルショップなどで使われるのではなく、洋裁をする際に使われます。ソーイング用のトルソーは、ディスプレイ用のトルソーとは異なり、洋裁するときにサイズが分かりやすいようにするため、ボディラインが入っています。なお、ソーイング用のトルソーは、布張りのものが多く、針などのピンがさせるようになっています。

<和装用>

和装用のトルソーは、着物の着付けの練習用に用いられます。和装用のトルソーには、帯を締めやすくするため、腹部の周辺には、柔らかい素材が用いられていることが一般的です。なお、和装用のトルソーは、スタンドが2本のタイプが多く、安定性が高いという特徴があります。そのため、和装用のトルソーは、ぐらつきにくくなっているため、腰ひもや帯を締めやすいのです。

アパレル業界でのトルソーの役割

アパレル業界において、トルソーは、どのような役割を果たしているのでしょうか。それでは、「アパレル業界でのトルソーの役割」について、ご紹介していきます。

<見栄えを良くする>

トルソーは、スタイルが良いため、アイテムの見栄えを良くしてくれます。そのため、トルソーを使ってアイテムをディスプレイすることによって、よりアイテムの良さをお客さまに伝えることができます。加えて、トルソーは、コーディネートについてもよりオシャレに見せてくれるため、お客様へのアピールという重要な役割も担っています。また、ネットショップなどに掲載するアイテムの写真を撮影する際にもトルソーがよく用いられます。

<アイテムのイメージが湧きやすい>

トルソーにアイテムをディスプレイすることによって、試着しなくてもアイテムのイメージが涌きやすくなります。つまり、トルソーは、お客様の購買意欲を高めるツールとしても用いられるということです。実際に、トルソーやマネキンにディスプレイされているアイテムは、売り上げがアップする傾向にあります。

トルソーを演出のために使うときのポイント

アパレル業界でのトルソー役割を紹介/Photo by Getty Images

トルソーを演出のために使うときには、どのようなことがポイントになるのでしょうか。それでは、「トルソーを演出のために使うときのポイント」について、ご紹介していきます。

<シーンを設定する>

トルソーを演出のために使うときのポイントの1つ目は、「シーンを設定する」ことです。トルソーに商品を着せるときには、具体的なシーンを設定するようにしましょう。具体的なシーンを設定することによって、お客様は、商品の着用シーンをイメージしやすくなります。また、具体的なシーンを設定すれば、小物などの訴求も行いやすくなります。例えば、夏のお出かけのシーンを想定した場合には、帽子やサングラス、バックなども一緒にディスプレイすると効果的でしょう。

<商品の特徴を伝える>

トルソーを演出のために使うときのポイントの2つ目は、「商品の特徴を伝える」ことです。商品のデザインやシルエット、ディテールなどに注目して、商品の特徴がお客様に伝わるようなディスプレイをするようにしましょう。例えば、裏地に特徴がある商品は、あえて袖などを折り返して、お客様から裏地が見えるようにするとよいでしょう。また、リバーシブルタイプの商品は、表向きのパターンと裏向きのパターンの両方をディスプレイするとよいでしょう。

<自然なポーズにする>

トルソーを演出のために使うときのポイントの3つ目は、「自然なポーズにする」ことです。トルソーのポーズは、人間が自然にできるポーズにするようにしましょう。したがって、腕が不自然に曲がっているポーズや顔が後ろを向いているポーズなどは、避けるようにしましょう。また、設定したシーンに合致するようなポーズにすることも大切です。その際、首の角度や手の位置にも注意するようにしましょう。

トルソーを上手に活用して、売り上げアップを狙おう!

ここまでご紹介させていただいたように、トルソーは、お客様にアイテムをアピールするという役割はもちろんのこと、アパレルショップの雰囲気を作るなど、様々な役割を担っています。ぜひ、トルソーを上手く活用して、お客様の購買意欲を高めることによって、売り上げアップに繋げましょう!(modelpress編集部)

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