転職活動中、転職先への入社日の決定には、難しさが伴うことが多くあります。なぜならば、転職先への入社日を決定するためには、現職の退職日が関係するからです。そして、現職の退職日を決定するためには、仕事の引き継ぎの完了など、様々なことが必要になります。そのため、転職先の企業への入社日の調整をすることに、苦労をしたという経験をお持ちの方も少なくないようです。それでは、転職先の企業での入社日について、転職先の企業と上手に交渉をするためには、どのようなことが大切になってくると考えられるのでしょうか。本稿では、この問いに答えるため、1.転職先が納得しやすい入社日の目安、2.転職先と入社日を交渉するリスク、3.転職先と入社日を交渉する際のポイントについて、ご紹介していきます。さらに、「転職時、入社日を交渉する際に役立つメール文の例」についても、ご紹介していきます。
いつがベスト?転職先が納得しやすい入社日の目安
転職先が納得しやすい入社日とは、どのくらいが目安となるのでしょうか。まずは、「転職先が納得しやすい入社日の目安」について、「在職中の場合」と「離職中の場合」に分けて、ご紹介していきます。
<在職中の場合>
まず、在職中の場合は、一般的には、内定通知を受けた後、1~3か月先が、転職先への入社日の目安とされています。ちなみに、退職までには、退職にかかわる準備や、有給休暇の消化などを含めて、1か月~1か月半ほど必要になることが多いようです。なお、「急募」などの記載がある求人の場合には、入社日については、内定通知を受けた後、1か月以内にするように求められることもあるため、注意が必要です。
<離職中の場合>
次に、離職中の場合は、一般的には、転職先への入社日については、転職先の企業からの希望の日程に応じた方が、無難であるといわれています。したがって、転職先の企業が、内定者を受け入れることが可能な日程を確認した上で、入社日を確定させるようにするとよいでしょう。
転職先と入社日を交渉するリスク
転職先と入社日を交渉することには、どのようなリスクがあるのでしょうか。それでは、「転職先と入社日を交渉するリスク」について、ご紹介していきます。
<他の企業からの選考結果を待っていると受け取られるリスク>
転職先と入社日を交渉するリスクの1つ目は、「他の企業からの選考結果を待っていると受け取られるリスク」です。転職活動時には、複数の企業の選考を受けることも少なくありません。そのため、入社日の交渉をした場合には、他の企業からの選考結果を待っていると受け取られてしまう可能性もあります。なお、このようなケースは、志望度の低さと受け取られてしまう可能性も否定できないでしょう。
<他の応募者が優先されてしまうリスク>
転職先と入社日を交渉するリスクの2つ目は、「他の応募者が優先されてしまうリスク」です。スキルや評価が近い応募者が複数いるような場合には、企業は、より早く入社できる応募者を優先させることも少なくありません。入社日が確定していたにもかかわらず、入社日の延期を交渉した場合には、可能性としては低いですが、内定取り消しのような最悪の事態もあり得ます。
転職先と入社日を交渉する際のポイント
それでは、転職先と入社日を交渉する際には、どのようなことがポイントになってくると考えられるのでしょうか。ここからは、「転職先と入社日を交渉する際のポイント」について、ご紹介していきます。
<転職先に入社日を伝える際のポイント>
・面接で入社日について聞かれた場合
まず、面接中に、入社日について聞かれた場合には、できるだけ早い時期の入社日を提示して、転職先の企業に対して、入社への意欲の高さを感じさせることが、大切になります。なお、在職中であることにより、退職日が不明瞭な場合には、安易に入社日を断言するようなことはせずに、退職に関する交渉と有給休暇の消化の日数などを踏まえて、余裕を持った入社日の時期を伝えるようにしましょう。退職に関する交渉には、1か月程度は必要になることが多いようです。これに対して、離職中である場合には、入社日については、柔軟に調整することができるということを伝えるようにしましょう。入社に対する意欲の高さをアピールするためには、「明日からでも入社できます」と伝えてしまってもよいかもしれません。
・内定が通知されてから、入社日を伝える場合
次に、内定が通知されてから、入社日を伝える場合には、退職日が確定次第、なるべく早めに、入社が可能となる日を人事担当者へ連絡するようにしましょう。そして、入社日が決定した後には、できる限り入社日の変更が発生してしまうというようなことはないように心がけましょう。なぜならば、採用する側は、入社日を目安にして、現場の体制などの調整を行っているからです。
・転職エージェントサービスを利用している場合
昨今では、転職エージェントサービスが利用されるケースも多くなってきています。転職エージェントサービスを利用している場合にも、転職エージェントを利用していない場合と同様に、入社日の変更が発生しそうなときには、早めに相談するようにしましょう。
<入社日の延期を交渉する際のポイント>
やむを得ない理由によって、入社日の変更を申し出る場合には、入社日を変更しなければならないことが判明した時点で、転職先に連絡するようにしましょう。その際、入社日を変更しなければならない理由と新たな入社の希望日を伝えます。ちなみに、入社日の延期の理由については、事実をベースにして、丁寧に伝えると、転職先の企業に、誠意が伝わりやすいでしょう。例えば、現職の人事担当者との退職に関する交渉の経緯などを伝えるとよいのではないでしょうか。
入社日の変更を交渉する際に企業が納得しやすい理由
入社日の変更を交渉する際、どのような理由であれば、企業は納得しやすいのでしょうか。それでは、「入社日の変更を交渉する際に、企業が納得しやすい理由」について、「入社日を延期してもらうための理由」と「入社日を前倒ししてもらうための理由」に分けて、ご紹介していきます。
<入社日を延期してもらうための理由>
入社日を延期してもらうための理由としては、一般的には、仕事の引き継ぎという内容が多いようです。転職先には、事前に予測することが難しかった状況にあることを理解してもらうことが大切になります。例えば、1.後任者の異動、2.プロジェクトの内容の急な変更などは、このような状況に当てはまるといえるでしょう。
<入社日を前倒ししてもらうための理由>
入社日を前倒ししてもらうための理由としては、後任者が早く決まり、仕事の引き継ぎがスムーズに進んだなどの内容が考えられるでしょう。転職先には、予定より早く仕事の引き継ぎが完了したということを理解してもらうことが大切になります。なぜならば、正当な理由なく入社日の前倒しを申し出た場合には、転職先の企業は、内定者に対して、「最後まで仕事をやり遂げないような責任感が強くない人なのではないか?」というような懸念を抱く可能性もあるからです。したがって、入社日の延期をしてもらう場合と入社日の前倒しをしてもらう場合のいずれにおいても、自らの仕事はしっかりと終わらせていること、もしくはしっかりと終わらせようとしているということを伝える必要があるということです。
転職時、入社日を交渉する際に役立つメール文の例
それでは、入社日を交渉する際には、どのような文面が必要になると考えられるのでしょうか。ここからは、「転職時、入社日の交渉をする際に役立つメール文の例」について、ご紹介していきます。
<入社希望日を伝える>
○○株式会社 人事総務部 △△様
平素よりお世話になっております。××です。
このたびは、内定のご連絡をいただきありがとうございます。現職の退職日については、引き継ぎ期間を考慮して、□□月□□日に決定いたしました。そのため、貴社への入社日につきましては、○○月○○日にしていただけると幸いでございます。
よろしくお願いいたします。
<入社日の延期を相談する>
○○株式会社 人事総務部 △△様
平素よりお世話になっております。××です。
このたびは、貴社への入社日の延期をご相談させていただきたく、ご連絡させていただきました。当初、現職の退職日は、□□月□□日となっておりました。しかしながら、後任者の異動により、引き継ぎ期間の延長が決定したため、退職日の先延ばしのための調整が必要になってしまいました。交渉の結果、退職日は1か月の先延ばしと決定しました。これに伴い、大変申し訳ありませんが、貴社への入社日についても、延期していただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
<入社日の前倒しを相談する>
○○株式会社 人事総務部 △△様
平素よりお世話になっております。××です。
このたびは、貴社への入社日の前倒しをご相談させていただきたく、ご連絡させていただきました。当初、現職の退職日は、□□月□□日となっておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う事業の縮小により、引き継ぎ期間が短縮されたため、退職日が2週間の前倒しになってしまいました。これに伴い、大変申し訳ありませんが、貴社への入社日についても、前倒ししていただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
転職先への入社日当日、幸先の良いスタートを切るためには?
転職先の企業において、成功を収めるためには、転職先の企業との入社日の交渉を上手に進めることが、最初の関門になるといっても過言ではないでしょう。そして、転職先の企業との入社日の交渉を上手に進めるためには、現職の仕事をスムーズに完了させることが必要です。本稿でご紹介させていただいた内容を参考にしながら、現職の仕事の完了と転職先の企業との入社日の交渉を並行して進めていくことによって、転職先の企業において、幸先の良いスタートを切ることができるようにしていきましょう。(modelpress編集部)
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