アパレルブランドを立ち上げるためには、どのようなステップを踏んでいく必要があるのでしょうか。また、アパレルブランドは、アパレルブランドの関係者以外であっても、立ち上げることができるのでしょうか。本稿では、「アパレルブランドの立ち上げ」について、ご紹介していきます。まずは、「アパレルブランドの立ち上げのパターン」について、確認していきます。次に、「アパレルブランドを立ち上げるための具体的な流れ」について、ご紹介していきます。そして、「アパレルブランドの立ち上げを成功に導くためのポイント」について、ご紹介していきます。
アパレルブランドを立ち上げるメリット
アパレルブランドを立ち上げることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。まずは、「アパレルブランドを立ち上げるメリット」について、主なメリットを2つご紹介していきます。
<オリジナルのブランドを取り扱える>
アパレルブランドを立ち上げるメリットの1つ目は、「オリジナルのブランドを取り扱える」ことです。アパレルブランドを立ち上げれば、自身が考案したオリジナルのアイテムを取り扱うことができます。つまり、コンセプトの設計から商品の製造、供給のすべてに携わることも可能になるのです。ファンの獲得やヒット商品の誕生などを実現させることができれば、大きなやりがいにもつながるでしょう。
<資格がなくても始められる>
アパレルブランドを立ち上げるメリットの2つ目は、「資格がなくても始められる」ことです。新品の衣料品を取り扱う場合には、資格などは必要ありません。したがって、取り扱う商品さえあれば、オンラインショップやSNSなどを通して、事業をスタートさせることが可能なのです。ただし、古着など、中古品を販売する場合には、古物商許可の資格が必要になるので、注意が必要です。
アパレルブランド立ち上げのパターン
アパレルブランドの立ち上げの際には、どのようなパターンがあるのでしょうか。それでは、「アパレルブランド立ち上げのパターン」について、主なパターンを3つご紹介していきます。
<アパレル業界における経験を活かして立ち上げる>
アパレルブランド立ち上げのパターンの1つ目は、「アパレル業界における経験を活かして立ち上げる」というパターンです。店舗の運営、商品企画、商品買い付けなどの経験を活かして、アパレルブランドを立ち上げます。アパレル業界における知識や経験を活かして、アパレルブランドを立ち上げるという最も一般的なパターンであるということができるでしょう。
<ファッションに関する専門的な知識を身につけて立ち上げる>
アパレルブランド立ち上げのパターンの2つ目は、「ファッションに関する専門的な知識を身につけて立ち上げる」というパターンです。ファッションに関連する専門学校に通って、アパレルブランドを立ち上げるというパターンもあります。デザイン、繊維素材、マーケティング、マーチャンダイジングなどについて学び、人脈を活かしてアパレルブランドを立ち上げるというパターンが多いようです。企業における業務経験が乏しいため、数値管理や組織運営などに関する知識を身につける必要があるといえるでしょう。なお、マネジメントに長けているような人と一緒に起業するという方法も考えられるでしょう。
<未経験から独学で立ち上げる>
アパレルブランド立ち上げのパターンの3つ目は、「未経験から独学で立ち上げる」というパターンです。ファッションに関する専門的な知識やアパレル企業において働いた経験がない場合であっても、アパレルブランドを立ち上げるパターンはあります。明確なブランドのコンセプトがあり、消費者のニーズにこたえることができれば、消費者から一定の支持を獲得することは、可能でしょう。ただ、リスクを回避するために、専門的な知識の習得と入念な準備は、必須となるでしょう。リスクの例としては、「消費者から支持され続ける商品の販売を続けられるのか」「継続的に売り上げを維持していくための資金繰りをすることができるのか」などを挙げることができるでしょう。
アパレルブランドを立ち上げるための具体的な流れ
アパレルブランドを立ち上げる際には、具体的な流れは、どのようなものになるのでしょうか。それでは、「アパレルブランドを立ち上げるための具体的な流れ」について、6つのステップに分けて、ご紹介していきます。
<ステップ1:コンセプトとブランドネームの決定>
アパレルブランドを立ち上げる際には、コンセプトを決定することが、第一歩となります。消費者のニーズ、流行、ターゲット、着用シーンなどを考慮して、コンセプトを検討するようにしましょう。コンセプトを決定した後に、ブランドネームを決定することが多いようです。これは、コンセプトが伝わりやすいようなブランドネームにする必要があるためです。ブランドネームやロゴなどが決定した後には、商標登録をしておくようにするとよいでしょう。これは、すでに使用されている商標であった場合には、トラブルに発展してしまう恐れもあるからです。損害賠償を請求されてしまう可能性も、否定できないでしょう。また、ブランドネームやロゴを商標登録していない場合には、それらを無断で使用されてしまう場合もあります。
<ステップ2:資金の調達>
アパレルブランドの立ち上げには、さまざまな費用がかかります。たとえば、原材料費、販売促進費などを挙げることができるでしょう。自己資金、助成金、補助金、そしてクラウドファンディングなどを活用して、資金を調達するようにしましょう。
<ステップ3:商品のデザイン>
販売する洋服やアクセサリーなどのデザインを、行っていきます。ブランドイメージを意識して、デザインを行っていくようにしましょう。アパレルブランドの立ち上げ人がデザインをすることもあれば、デザイナーに依頼することもあります。
<ステップ4:商品の製造>
デザインを基にして、工場へ商品の製造を依頼します。アパレルブランドを立ち上げたばかりのころについては、少量から製造をするようにするとよいでしょう。大量に製造をしてしまうと、過剰な在庫を抱えてしまうリスクがあるからです。ちなみに、昨今では、一着であっても製造を引き受けてくれる工場もあるようです。なお、正しい洗濯表示、繊維素材に関する正しい情報が記載されるように依頼しましょう。これは、日本における衣料品の規格に合致させる必要があるからです。
<ステップ5:プロモーション>
昨今では、メディアの発達によって、さまざまなプロモーションが登場してきています。たとえば、SNSを活用したプロモーションは、新しいプロモーションの典型例であるといってよいでしょう。それぞれのメディアによって、特徴は大きく異なるため、プロモーションの目的やターゲットを十分に吟味した上で活用するメディアを選択するようにしましょう。
<ステップ6:開業>
昨今では、インターネットの発達によって、さまざまな形の開業が登場してきています。実店舗を構えずに、インターネット上のみで商取引をするというようなケースも珍しいものではなくなってきています。実店舗を構えてはいるが、メインは、インターネット上の商取引であるというようなケースもあります。どのような開業の形についてもメリット・デメリットはあるため、ターゲット、売り上げ目標、競合ブランドなどについて十分な検討を行って、どのような形の開業にするのかということについて、決定していくようにしましょう。
アパレルブランドの立ち上げの際によくある失敗例
アパレルブランドの立ち上げの際には、どのような失敗例がよくあるのでしょうか。それでは、「アパレルブランドの立ち上げの際によくある失敗例」について、主な失敗例を3つご紹介していきます。
<既存のブランドと似すぎている>
アパレルブランドの立ち上げの際によくある失敗例の1つ目は、「既存のブランドと似すぎている」ことです。好きなブランドへのあこがれなどからブランドの立ち上げをスタートさせた場合には、そのブランドの商品と極めて類似した商品を製造してしまう可能性もあります。既存のブランドの商品と極めて類似した商品では、大きな差別化をすることはできないため、売り上げの伸びも期待できないでしょう。したがって、ブランドコンセプトに基づいて、オリジナルのデザインの商品を製造することが大切になるのです。
<市場のニーズをとらえていない>
アパレルブランドの立ち上げの際によくある失敗例の2つ目は、「市場のニーズをとらえていない」ことです。自分が好きな商品ばかりを製造して、ターゲットとなる市場のニーズやトレンドをとらえることができていないというケースは、少なくありません。このようなケースでは、消費者からの支持を受けることは難しく、売り上げにもつながりにくいでしょう。したがって、ターゲットとなる消費者が求める商品について、詳細な分析をしたうえで、商品を製造する必要があるのです。
<商品カテゴリーが広すぎる>
アパレルブランドの立ち上げの際によくある失敗例の3つ目は、「商品カテゴリーが広すぎる」ことです。複数の商品カテゴリーを取り扱うことによって、製造コストが高くなってしまう可能性もあります。たとえば、複数の商品を小ロットで製造することによって、原価が高くなってしなうなどのケースが考えられるでしょう。したがって、ブランドを立ち上げたばかりについては、力を入れたい商品カテゴリーを絞り、徐々に商品カテゴリーを拡大させていったほうが、コスト面のリスクは低いといえるでしょう。たとえば、はじめはTシャツのみを製造して、オンラインショップで販売を行い、マーケットリサーチをしながら、ボトムスやアウターの取り扱いもスタートさせるなどの方法も考えられるでしょう。
アパレルブランドの立ち上げを成功に導くためのポイント
アパレルブランドの立ち上げを成功に導くためには、どのようなことがポイントになるのでしょうか。それでは、「アパレルブランドの立ち上げを成功に導くためのポイント」について、主なポイントを3つご紹介していきます。
<出店の形態を決定する>
アパレルブランドの立ち上げを成功に導くためのポイントの1つ目は、「出店の形態を決定する」ことです。実店舗で開業、インターネット上に開業など、出店の形態別にそれぞれの特徴を理解して、出店の形態を決定する必要があります。まず、実店舗で開業する場合には、店頭において、お客様に商品を直接手にとっていただくことができるというメリットがあるでしょう。ただし、実店舗を開業するためには、多くの場合、多額の費用がかかることになります。たとえば、内装や装飾などにかかる費用を挙げることができるでしょう。また、インターネット上に開業する場合には、独自のECサイトの開設、もしくはECモールなどの既存のサービスの活用などが多くなっているようです。実店舗で開業する場合と比較して、費用を抑えることができ、迅速な開業を行いやすくなるでしょう。これは、人件費などの費用を抑えやすいからです。なお、インターネット上の商取引となるため、SNSとの連動によるプロモーションも行いやすくなるでしょう。昨今では、インスタグラムなどのSNSをプラットフォームにして、開業するというケースもあるようです。
<ターゲットを具体的に設定する>
アパレルブランドの立ち上げを成功に導くためのポイントの2つ目は、「ターゲットを具体的に設定する」ことです。年齢、性別、職業、社会的な階層、好みなどを基準にして、ターゲットを具体的に設定するようにしましょう。その際には、「ペルソナ」も活用するとよいでしょう。ちなみに、ペルソナとは、Who? When? Where? What? How?というように、「誰が?」「いつ?」「どこで?」「何をして?」「どのようになる?」というように、なるべく詳細に設定したほうが効果的です。
<販売するカテゴリーを絞る>
アパレルブランドの立ち上げを成功に導くためのポイントの3つ目は、「販売するカテゴリーを絞る」ことです。価格、品質などから、販売するカテゴリーの絞込みをしていきましょう。一般的には、競合ブランドが、進出していないカテゴリーに進出していくことが、定石であると考えられています。
アパレルブランドの立ち上げは、計画的に進めよう
いかがでしたでしょうか?ここまでご紹介させていただいたように、アパレルブランドの立ち上げは、決して簡単なものではありません。開業までには、さまざまな「壁」が立ちはだかることでしょう。現在、アパレルブランドの立ち上げを考えていらっしゃる方は、本稿で紹介させていただいた内容を参考にして、アパレルブランドの立ち上げを成功に導いてください。(modelpress編集部)
実際に働いている人の声は?
-
「THE NORTH FACE」店長インタビュー 育休復帰後もキャリアを目指す理由「ひとつの指針になれたら…」
THE NORTH FACE
-
「studio CLIP」インタビュー 販売スタッフからEC担当に…やりがい&苦労は?
studio CLIP
-
「apart by lowrys」EC担当インタビュー 店舗スタッフから本社勤務までの道のり…接客ロープレ大会で受賞も
apart by lowrys
-
<伊藤千晃インタビュー>「KIKI AND DAYS」立ち上げのきっかけとは?ディレクター業に迫る
KIKI AND DAYS
-
「ボタニスト」店長インタビュー 仕事内容・やりがい&苦労を語る
BOTANIST