お客様と対面して、商品を販売するのが、アパレル店員です。販売以外にも検品作業や商品整理など、販売に関する様々な作業を担当します。したがって、アパレル店員には、求められるスキルも高く、センスも問われます。アパレル店員は、昇進するとマネージャーや店長にもなれるため、「売れる」ということは、とても重要になってきます。そこで、本稿では、売れる販売員には欠かすことができない特徴と習慣について、ご紹介していきます。
売れる販売員になるために実践したいポイント1:売り場の演出を工夫する
売れる販売員になるために実践したいポイントの1つ目は、「売り場の演出を工夫する」ことです。お客様にとって、快適な売り場を作ることは、必須となります。
<お客様が売り場に入りやすいようなレイアウトを構築する>
まずは、主な通路から、よく見える位置を有効に活用するようにしましょう。具体的には、マネキンやPOPの設置などが考えられるでしょう。また、売り場に入るための主な通路の位置は、お客様の流れを考慮して決定するようにしましょう。なお、主な通路のスペースは、広めに確保するようにしましょう。
<売り場の奥の目立つ位置に魅力的な商品を陳列する>
売り場の奥の壁面など、通路から見える位置に売れ筋の商品を陳列するようにしましょう。具体的には、最もお客様に訴求したい商品は売り場の前面に陳列、そしてその次の商品は壁面に陳列するとよいでしょう。このような陳列をすることによって、お客様を売り場の奥まで誘導する効果を期待することができます。
<お客様に役立つ情報をPOPで訴求する>
商品の特徴やセールの情報などについて、POPで訴求するようにしましょう。POPは、お客様が見やすいレイアウトにして、かつお客様の共感を呼ぶことができるような情報を盛り込むことができるとよいでしょう。POPを見て、お客様が興味を持てば、お客様から販売員に声をかけてくることもあります。
売れる販売員になるために実践したいポイント2:第一印象で惹きつける
売れる販売員になるために実践したいポイントの2つ目は、「第一印象で惹きつける」ことです。お客様に対して、良い印象を与えることが、売れる販売員になるための第一歩ということもできるでしょう。
<お客様が入ってきた瞬間の対応が重要>
お客様とのファーストコンタクトとなるのが、お客様が入店された瞬間です。この瞬間のお客様へ対する印象によって、接客の成否が決まるといっても過言ではないでしょう。
<身だしなみ・着こなし>
第一印象の大部分を占めるのが、「見た目」であるといわれています。したがって、身だしなみや着こなしが、とても重要になります。最低限の服装マナーをふまえ、お客様に不快感を与えないようにしましょう。例えば、販売員の顔がピアスまみれ、また髪がボサボサというような状態は、絶対に避けなければなりません。なお、店舗で取り扱っている服を着るとコーディネートのお手本にもなるので、積極的に実践してみるとよいでしょう。その際には、着こなしにも気を付けましょう。
<TPOに合わせた挨拶>
TPO(時・場所・場合)に合わせた挨拶は、アパレル販売員以前に社会人としての常識です。接客する際、お客様にかける第一声は、挨拶です。適切な挨拶をすることができなければ、お客様に対して、良い印象を与えることは難しいでしょう。
<笑顔・アイコンタクト>
笑顔やアイコンタクトは、お客様との適切な距離をとるために必要です。もし、販売員が無表情であり、アイコンタクトもしないというような状況では、お客様も気まずくなり、商品を手に取ってはくれないでしょう。ただ、反対に、販売員の過剰なアイコンタクトや笑顔は、お客様に対して、圧迫感を感じさせてしまうでしょう。したがって、適度な笑顔・アイコンタクトが、大切になります。
<店内の動き方>
販売員の店内での動き方もお客様に影響を与えます。バタバタと忙しそうにしてはいけません。なぜならば、お客様が販売員に声をかけにくい雰囲気ができてしまうからです。そのような雰囲気では、お客様から販売員に歩み寄ってくれるチャンスを潰してしまいかねません。たとえ、作業が忙しいときにも、余裕を見せ、お客様を優先させる姿勢を常に保つようにしましょう。
売れる販売員になるために実践したいポイント3:観察する・会話する
売れる販売員になるために実践したいポイントの3つ目は、「お客様をよく観察する・お客様とよく会話する」ことです。これらは、お客様とコミュニケーションを取る際に、とても大切なことになります。
<ベストなタイミングでの声かけ>
お客様は、商品を選んでいるときには、多くの場合、とても集中しています。そのようなタイミングに販売員から話しかけられれば、邪魔をされたと感じさせてしまうなど、悪い印象となる場合がほとんどでしょう。したがって、しっかりとお客様を観察し、声をかけてほしいと思っているタイミングを見計らい、アプローチをするようにしましょう。
<お客様からの話の聞き方>
アイコンタクトはもちろん、相槌など、お客様からの話の聞き方によって、お客様に与える印象が変わります。相槌をして、お客様の言葉を反復することによって、お客様の意見を確認する機会を作るようにするとよいでしょう。お客様の話をさえぎるように話してしまうとお客様の意見をしっかりと聞くことができないので、お客様のニーズや好みも分からなくなってしまいます。
<共感する・共感を得る>
お客様は、商品を選んでいるとき、どうしても決断を後押ししてほしいと思う場合があります。お客様の決断を後押しする手段としては、お客様の意見に共感する、または販売員の意見に共感してもらう、ということなどが考えられるでしょう。お客様の意見に共感すれば、お客様は自信を持ちやすくなるので、決断に繋がりやすくなります。なお、セールストークだけではなく、販売員自身の体験談や失敗談を伝えるとお客様が共感してくれることもあり、お客様と販売員の距離感を縮めることができることも少なくありません。ただ、基本的には、あくまでもお客様の意見を尊重することが大切になります。
<ニーズを聞き出す>
どこに着ていくか、どのような服を持っていて何が合うか、その日の持ち物と合うのは何かなど、お客様のニーズを聞き出すことは、とても重要です。世間話やセールストークなどから、自然にお客様のニーズを聞き出すことができるような質問をしていきます。そして、最終的には、お客様が商品の良さを実感して、満足感を覚えることによって、商品の購入を決断してもらうことが大切になります。
売れる販売員になるために実践したいポイント4:情報を提供する
売れる販売員になるために実践したいポイントの4つ目は、「情報を提供する」ことです。商品の情報や最新のトレンドなどをお客様に伝えることは、お客様の商品選択の手助けになります。
<商品知識>
お客様が知り得ない情報としては、商品の特徴、売れているカラー、売れている理由、どんな人に売れているのかといったものなどが挙げられるでしょう。このような情報は、お客様の判断材料となります。言い換えれば、お客様も助かる情報なので、積極的に提供するとよいでしょう。
<世の中の最新トレンド>
昨今では、テレビやSNSなどの発達によって、最新トレンドを把握することは難しくありません。ただ、だからこそ、最新トレンドを知らない場合には、聞きづらくなってしまうということも考えられます。したがって、最新トレンドを伝えることによって、お客様に安心感を与えることもできるでしょう。
<ニーズに合った提案>
お客様一人では、最適な服選びが難しい場合もあります。ただお客様のニーズを聞くのではなく、最新の着こなしに合わせられる商品や具体的なコーディネートなどを提案してみるとよいでしょう。お客様の意見だけではなく、販売員の意見も取り入れることができるので、適切なファッションに近づきます。
<選択肢>
どちらの服が良いのか迷うというのは、よく見られる光景の一つです。「こちらが良いと思いますよ」などと少し背中を押すだけでも商品の購入を決めてくれることは少なくありません。いい加減に選ぶのではなく、しっかりとした理由を述べた上でお客様に伝えるとより効果的でしょう。
<購入を決めたお客様にはプラスアルファでもう一点>
売り上げを上げるためには、お客様にたくさん商品を販売することも大切です。購入を決めたお客様には、もう一点、その商品に合った他の商品を勧めてみましょう。ただし、あまりしつこく勧めすぎると逆効果なので、引き際は弁えるようにしましょう。
売れる販売員になるために意識したい基本的な考え方
売れる販売員になるためには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。それでは、「売れる販売員になるために意識したい基本的な考え方」について、ご紹介していきます。
<課題を自責として捉えて、改善点を見つける>
お客様が商品の購入まで至らなかったときやお客様に不快な思いをさせてしまったときには、振り返りを行うことによって、課題を見つけ出すようにしましょう。課題としては、商品知識の不足や優先順位の誤りによるお客様への不適切な対応などが考えられるでしょう。必ず、改善点を発見して、次回の接客に活かすようにしましょう。
<お客様からの信頼を獲得するために行動する>
お客様は、販売員を信頼すると相談や質問の回数が増える傾向があります。したがって、振る舞いや接し方、会話の内容などに配慮することによって、お客様からの信頼を獲得することができるように努めましょう。
売れる販売員になるには、お客様への細かな配慮が大切
いかがでしたでしょうか?店舗にいる販売員は、十人十色です。しかしながら、売れる販売員は、どこかが違います。売れる販売員は、お客様をよく観察して、臨機応変に対応しているのです。もちろん、必要最低限な要素として、身だしなみや気持ちの良い接客は、必須です。そして、豊富な商品知識も大切でしょう。日々の努力やお客様の観察を惜しまずに続けていくことができれば、売れる販売員になることができる日も遠くはありません。(modelpress編集部)
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