【アパレル/モデルプレス】「インバウンド」という言葉を耳にしたことはありますか?インバウンドは日本の経済に影響を与える訪日外国人旅行者のことです。このインバウンドによる経済効果は、観光業界だけではなく、アパレル店舗にも大きく関わってきます。それでは、売上にも関わってくるアパレル店舗のインバウンド対策についてご紹介します。
インバウンドとは?
あまり耳にすることがない人も多い「インバウンド」とはどのようなものなのでしょうか。まずは、インバウンドについてご紹介します。
<インバウンドの意味>
インバウンドとは、海外に住んでいる方が旅行目的で日本を訪れることを指す用語です。インバウンドに対して日本から海外に旅行に行くことを「アウトバウンド」と言います。
<訪日外国人の増加>
2007年に観光立国推進基本法が施行され、観光が国の重要な施策の一つに掲げられました。その後観光に力を入れた結果、2013年以降、日本を訪れる外国人旅行者数は急増しました。2005年に670万人だった訪日外国人旅行者数は2016年に2,403万人を突破し、4倍近くの外国人が日本に旅行に来てくれるようになりました。
<訪日外国人の増加による日本経済への影響>
日本に旅行目的で来てくれる外国人が増えたことによって、訪日外国人の旅行支出額も増加しました。この訪日外国人の旅行支出は観光業界だけではなく、百貨店などの小売業界からも注目されています。
参考:※日本政府観光局(JNTO)『年別訪日外客数、出国日本人数の推移(1964年‐2016年)』
インバウンド市場の近況
様々な業界から期待されているインバウンド市場は現在どのような状況なのでしょうか。インバウンド市場の近況についてご紹介します。
<平成29年の訪日外国人全体の旅行消費額>
平成29年の訪日外国人全体の旅行消費額は速報値で、4兆4,161億円と推計されています。この値は、前年(3兆7,476億円)に比べて17.8%も増加しています。
<地域別の旅行消費額>
訪日外国人の旅行消費額は地域別に見てみると、中国が1兆6,946億円と、全体の38.4%を占めてトップになっています。中国以外では、台湾5,744億円、韓国5,126億円、香港3,415億円とアジアからの旅行者による消費が半数以上を占めています。
<平成29年の訪日外国人1人当たりの旅行支出>
平成29年の訪日外国人1人が旅行での支出額は平均で15万3,921円と推計されています。これは、前年(15万5,896円)に比べ1.3%減少してしまっています。この値から、一時期の訪日外国人による爆買いはおさまったと考えることができます。しかし、2020年の東京オリンピックなどの影響もあり、外国人旅行者による消費はこれからも増加が見込まれています。
参考:国土交通省観光庁『平成29年年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報)』
アパレル店舗に必要なインバウンド対策
それではインバウンドに向けてアパレル店舗はどのような対策を取ればよいのでしょうか。アパレル店舗に必要なインバウンド対策についてご紹介します。
<免税への対応>
まずは、インバウンドに向けて免税への対応が必要になります。免税とは商品にかかっている税金を免除することで、外国人旅行者が購入しやすいように設けられているシステムです。この免税を行うには免税店となる必要があり、免税店になるには管轄の税務署に「輸出物品販売場許可申請書」を提出しなければいけません。インバウンドに向けて対策の第一歩として、免税店の申請を行いましょう。
免税店となった場合は、店員が免税販売を理解できるようにマニュアルを用意しておきましょう。さらに外国人旅行者に免税制度を分かりやすく説明できるような体制を整えておく必要もあります。また、外国人旅行者に販売するアイテムが消耗品であった場合は、包装を確認しておきましょう。外国人旅行者向けに消耗品を免税販売する場合は、国土交通大臣及び経済産業大臣が指定する方法で包装しなければならないからです。例えば、袋と箱で包装し、開封した場合には開封したことが分かるシールで封印するなどの包装方法が指定されています。
<通訳スタッフの配置>
インバウンド対策として、通訳スタッフの配置も必要になります。英語以外の第二外国語を話せる販売スタッフが求められます。特に訪日外国人の大半を占めており、インバウンドが見込める中国語や韓国語などを話せるスタッフがインバウンドで成功する鍵となります。しかし、多言語での対応だけでなく、日本ならではの「おもてなし(質の高いサービス)」を提供することも重要なポイントです。
<Wi-Fiの設置>
外国人観光客はiPhoneやiPadなどの端末を見ながら、観光やショッピングをします。したがってWi-Fiを設置することで、よりスムーズな外国人観光客の観光やショッピングをサポートすることができます。店舗で用意していない場合は、近くのWi-Fiスポットを案内できるように把握しておきましょう。
しっかりインバウンド対策で売上に繋げる
いかがでしたでしょうか?インバウンドによる経済効果は観光業界だけではなく、百貨店などの小売業界を始めアパレル業界でも十分期待できます。インバウンドによって売上アップを狙うには、早めに対策を練っておくことが重要です。ご紹介したインバウンド対策でさらに売上を上げましょう。(modelpress編集部)
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