【アパレル/モデルプレス】「アパレルの原価率」とは、どのくらいの水準になっているのでしょうか。アパレル店員ならば、自社の商品の原価率くらいは把握しておきたいものです。原価率を知ることは、自社の「儲けの仕組み」を知ることにもつながります。それでは、アパレル企業の原価率の状況、原価率を下げる取り組みについてご紹介します。
アパレル企業の原価率とは?
「アパレルの企業の原価率」の実態は、どのようになっているのでしょうか。まずは、アパレル企業の原価率についてご紹介します。
<アパレルの原価率は高い?>
巷では、「アパレルの原価率は高い」と言われることも多いようです。果たして、アパレルの原価率は、本当に高いのでしょうか。この質問に一言で答えるならば、「アパレルの原価率は、ブランドや業態によって異なる」ということになります。アパレルの原価率は、おおむね30~50%となっているようで、とても幅広いといってよいでしょう。ちなみに、百貨店におけるアパレルの原価率は、一般的には低い水準のようです。これについては、多くが20%程度であるとみられています。(詳しくは、経済産業省の「アパレル・サプライチェーン研究会報告書参考資料集」)
<原価率を開示する企業の狙いとは?>
それでは、「原価率を開示する企業の狙い」とは、どのようなものなのでしょうか。実は、原価率を開示し、「高品質・低価格」を追求する姿勢を示す企業も、少なからず存在しています。ただし、ここで注意しておきたいのは、「品質の良さと原価率の高さは直結しない」という見方もあるということです。これには、「アパレル企業が、商品の素材そのものにコストをかけているとは言い切れないため」という側面が影響しています。また、商品に用いる生地やボタンなどを海外から輸入する際には、関税がかかってしまうということも考えられます。
そもそも原価率とは?
ここまでは、アパレル企業の原価率について確認してきましたが、そもそも「原価率」とは、どのようなものなのでしょうか。それでは、原価率の基礎知識についてご紹介します。
<原価率の意味>
「原価率の意味」とは、どのようなものなのでしょうか。原価率とは、一言でいうならば、「売価に対する原価の構成比」ということになります。ちなみに、ここでいう原価とは、「仕入原価」や「製造原価」のことを指します。つまり、基本的には、原価率が低くなると、利益は上がると考えられます。
<原価率の計算の基本>
ここで、「原価率の計算の基本」についても確認しておきます。原価率を計算式で表現すると、(原価率)=(売り上げの原価)÷(売価)×100のようになります。当然のことではありますが、基本的には、「値引きに応じて利益は下がる」ということになります。
原価率を下げるためにアパレル店員ができること
「原価率を下げるためにアパレル店員ができること」とは、どのようなことなのでしょうか。それでは、原価率を下げるためにアパレル店員ができることについてご紹介します。
<原価率が低いアイテムの販売を強化する>
原価率を下げるためにアパレル店員ができることの1つめは、「原価率が低いアイテムの販売を強化する」ことです。まずは、「自社ブランドの原価率」を確認するようにしましょう。そして、原価率が低いアイテムをいわゆる「重点商品」にするなどして、セールスプランを考案していくようにすることをおすすめします。
<関連販売を強化して客単価をアップさせる>
原価率を下げるためにアパレル店員ができることの2つめは、「関連販売を強化して客単価をアップさせる」ことです。例えば、トップスとアクセサリー、またパンツとベルトなど、関連販売を強化することも、当然のことながら、とても大切になります。
<在庫のロスを減らす>
原価率を下げるためにアパレル店員ができることの3つめは、「在庫のロスを減らす」ことです。商品の「破損」や「万引き」などによって生じてしまう、本来であれば発生することはなかった在庫のロスを、抑えるようにしましょう。これも、当然のことではありますが、もし商品が廃棄されてしまうと、その商品の仕入れの際に生じたコストが、無駄になってしまうことになるのです。
原価率の大切さを理解して、店舗の売り上げに貢献する
いかがでしたでしょうか?冒頭でも述べましたが、アパレル店員であるならば、最低限、自社の商品の原価率は、頭に入れておきたいものです。なぜならば、すでに確認したように、「原価率を下げるためにアパレル店員ができること」は複数あり、しかも、原価率を下げることは、店舗の利益につながるからです。ただ、現実には、商品の利益率を考慮せず、ただやみくもにセールスプランを考案してしまっているというアパレル店員も、少なくないようです。もしあなたが、これまで商品の原価率を考慮せずに、やみくもにセールスプランを考案してしまっていたのであれば、今後は、本稿で紹介した「原価率を下げるためにアパレル店員ができること」を参考にして、セールスプランを考案しないという手は、もうないでしょう。そして、そのことによって、店舗の利益アップに、これまで以上に貢献してみませんか?(modelpress編集部)
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