「H&M」マーケティング部インタビュー「WOW(ワオ!)」と感じてもらうプロモーション戦略…仕事内容を紹介

「H&M」マーケティング部インタビュー「WOW(ワオ!)」と感じてもらうプロモー…

【H&M/モデルプレス】エイチ・アンド・エム へネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社のファッションブランド「H&M」のマーケティング コンセプト マネージャーとして働く入社9年目の木内望さん(29)がモデルプレスのインタビューに応じた。

モデルプレスのインタビューに応じた木内望さん(C)モデルプレス

「H&M」マーケティング部の仕事内容

― 「H&M」マーケティング部の仕事内容を教えてください。

木内さん:H&Mのマーケティングは、お客様に対してのプロモーション戦略を考え実行する部署です。お客様に「WOW(ワオ!)」と感じていただけるような楽しい&新しいアイディアを常に考えています。その中でも、私はコンセプト・マーケティング・マネージャーとしてレディース・コンセプトの全般を担当していて、各キャンペーンやプロジェクトのリーダーを務めています。

例えば、昨年の「安室奈美恵×H&M」キャンペーンや、今年の黒柳徹子さん、リリー・フランキーさん、清野菜名さん、伊藤健太郎さんにアンバサダーとして登場していただいた「GOLDEN PASS」キャンペーンを担当しました。

上記のようなローカル・キャンペーンでは、始めにキャンペーンのストーリーを考えます。どんなストーリーでどんなメッセージをお客様に届けたいのか、そして、届けるだけの一方通行「Story Telling」だけで終わらない、メッセージが届いた後、お客様が自分に重ねてしまう「自分ごと化」できるようなキャンペーンを考えます。そして、そのストーリーの主役になるアンバサダーを誰にするのか、日本でつくるものだけどH&Mというブランドをしっかりと表しているクリエイティブをどうやってつくるのか、キャンペーンをより多くのお客様に知ってもらうためにはどんな広告プランがベストなのか、お店の店舗看板やショーウィンドウ・店内をどのように展開するのかなどを、マーケティングチーム、本国スウェーデンチーム、社内の他部署(PR、VM、MDチームなど)、外部のクリエイティブチームや制作チームなど、本当にたくさんの方々と納得するまで話し合い、プロジェクトを進めていきます。

H&Mは、ブレインストーミングが大好きな会社です。社内・外共に、とことん話し合い、H&Mのカルチャーでもある「Have fun(楽しむ)」精神で、最高のキャンペーンができるように一丸となって進めます。

細かいお仕事ですと、本国スウェーデン発キャンペーンの店頭に設置するポスターなどの翻訳、レイアウトチェックなどもデイリータスクとして行っています。

また、H&Mはもう少しで100店舗目を迎えるのですが、新店舗を盛り上げるための施策も考えます。例えば、最近ではモデルさんやタレントさんにオープニングイベントに参加してもらい、オープンのカウントダウンやテープカットをしてもらったり、お客様へのスタイリングサービスなどを実施しています。H&Mのオープニングには、必ず数百名の方々が並んでくれます。沖縄のオープニングでは、約1000人の方々が並んでくれました。毎回、感動してしまいます。

― これまで働いてきてやりがいや苦労したことも教えてください。

木内さん:数年前までは、本国スウェーデン発のキャンペーンを中心にまわすことが多かったのですが、より日本のお客様にH&Mへの「親近感」を持っていただくことを目的に、近年では日本のお客様によりそった日本発のキャンペーンを実施するようになりました。私は、自分が担当する全プロジェクトを「自分の子供」と思い、愛と情熱を持って臨みます。特に日本発のキャンペーンの場合、1から考えて立ち上げることになるため、責任重大ですが、同時にやりがいを感じます。そして、ローカル・キャンペーンのもう一つの良いところは、ストーリーの発案からキャスティング、撮影、全てを日本で実施できるからこそ、普段スウェーデン発のキャンペーンでは一緒に働くことのないたくさんの人たちと出会う機会があることです。特に、H&M外の才能が溢れた人たちと働くことは、刺激的で、とても勉強になり、この仕事をしていて本当に幸せだ!と感じることがあります。

苦労した部分ですが、私は、自分のプロジェクトに対して、愛情があり過ぎるあまり手を抜きたくない!と思うタイプです。しかし、H&Mではワークライフバランスを保ちながら良い成果をだすことが一番評価されるので、残業をなるべくせず、キャンペーンの完成度を上げることにとても努力と苦労をしました。また、私たちは、グローバル企業で様々な国籍や価値観を持った人が色んな部署に集まっているので、プロジェクトを進めていく際にぶつかることがあります。しかし、H&Mのカルチャー「we are one team」精神で、お互いを信頼し、とことん理解し合えるまで話し合うことで、苦労もしますが、チームワークの大切さを毎回学びます。

「H&M」マーケティング部で働くようになった理由

新作をチェック中(C)モデルプレス

― なぜマーケティング部で働くようになったのでしょうか?

木内さん:2011年に店舗スタッフとして入社しました。店舗スタッフとしてお店で働いている間、マネージャーにいつも「本社でマーケティングがしたい!」「どうやったらチャンスを掴めるの?!」と積極的にアプローチをしていました。そして、ある新店舗オープニングのサポートスタッフとして入ったときに、私にチャンスをくれることになるマーケティングの先輩と出会い、お店のマネージャーの熱いサポートもあり、インターシップ制度でマーケティング部に所属することが決まりました。

― 数あるアパレルブランドの中からなぜ「H&M」を選んだのでしょうか?

木内さん:もとからエンターテインメント、メディア、ファッション業界に興味があったので、アメリカ留学中は、マーケティングとメディアプロダクションを専攻していました。勉強していくうちにますますハマってしまい、「出る側(演者)もやってみたい!」と思い、自分で作ったミュージックビデオをアメリカのFOXに勝手に送るほどでした(もちろん、FOXからの返事は無し)。アメリカから帰ってきて、キャリアフォーラムに参加しました。会場に入った瞬間、たくさんのスーツ姿の就活生の中に、音楽で踊るノリノリの団体がいたのです。それが、H&Mでした。驚きのエンタメ性とファッション性を持った、楽しんで自分が挑戦したいことができる会社だ!と思いH&Mを選びました。

― 今後の目標を教えてください。

木内さん:目標が3つあります。①マーケティングチームに入った当初は、先輩のサポートや彼らの背中をみて必死に学ぶ毎日でした。今では、会社の重要なプロジェクトを任せていただけるようになり、責任はとても感じますが…お客様に楽しんでもらえるような「WOW(ワオ!)」なキャンペーンをチームみんなでつくり続けること。②私は、色んな人と出会える現場が本当に大好きなので、「一生現場人間」でいること。③日本発キャンペーンで他の国を巻き込むような大きなキャンペーンに挑戦すること

「H&M」マーケティング部のライフスタイル

打ち合わせ中(C)モデルプレス

― 美容面で気をつけていることを教えてください。

木内さん:常に素でいること。昔は、丸顔や顔のエラがはっているのがコンプレックスで、シャドウをかけたりしていたのですが、アメリカ留学中に、ありのままの自分を愛する「body positive」思考に影響されて、今では、シャドウどころか、ファンデーションもしていません。

― 休日はどのように過ごしていますか?

木内さん:友達と笑ったりボーっとしたり、一人旅に出ることです。最近では、ちょうどGWキャンペーンが終わったので、プーケットにリフレッシしに一人旅してきました。一人旅は、とても寂しいのですが、一人旅じゃなかったら話さないような人たちと会話が生まれたり、なぜかいつもより勇敢になっている自分がいるので、日本にいるときと違う自分が見れて面白いです。最終的にビーチ、プール、街中で色んな人に話しかけても友達ができなかったので、Instagram Storyで独り言をしていました。

― 普段どのようにファッション情報を取り入れていますか?

木内さん:とにかく、SNS巡りが趣味なので、常にファッションの情報はSNSから得ています。一人ハイボールをするときは、もう一つコップをもらって携帯を立てかけて、ずっとInstagram Storyをテレビの様に眺めています。最終的には、自分の一人ハイボールの様子をストーリーしてしまいます。

「H&M」で働くためには

― 「H&M」にはどのような人が相応しいのでしょうか?

木内さん:多様性を受け入れる心、チームプレイヤー、企業家精神を持っている人です。

― 書類・面接…と通過できるポイントを教えてください。

木内さん:ファッション、トレンド、メディア、エンタメ、どれかにおいて「アンテナ」をしっかり張っているなと面接官に感じさせることがポイントだと思っています。特に、ファッション業界のマーケティングで楽しく働くには、色んなことに好奇心を持って、新しい情報やアイディアをバンバンだせることが重要なのかなと思います。また、面接の服装は自分の個性を表していて、これが自分ですって説明できる洋服であれば、どんな服装でも好印象です。H&Mは、どんな個性でも受け止めることのできる、多様性を大切にしている会社です。

夢を叶える秘訣を語る

「H&M」マーケティング コンセプト マネージャーの木内望さん(C)モデルプレス

― 夢を追いかけている女の子に向けて夢を叶える秘訣を教えてください。

木内さん:私も、絶賛夢を追いかけ中なので、叶える秘訣を模索中です。なので、実際に私がしていることをシェアします!「人に自分の夢を話す」と「とにかく行動してみる」。「人に自分の夢を話す」は、人に話すことで自分にプレッシャーを与えることができるのと、何かコネクションができたりチャンスが舞い降りてくるかもしれないからです。例えば、出会う人たちに、「私、演技にチャレンジしたいんですよね」って言うと「あ、私も興味があるんですよ!今度何かしましょう!」といった夢仲間に出くわすラッキーなシチュエーションに遭遇したり。「とにかく行動してみる」は、そのままなのですが、夢に少しでも近づけるであろう事をとにかく実行しまくる。この方法の面白いところは、行動の途中でたくさんの魅力的な人に出会ったり、たくさんの経験をすることで、色んな刺激をもらい、いつの間にか「あれ?これも面白そう!」と、新たな夢が見つかったりすることです。私も、夢やチャレンジしたいことがたくさん増えてしまい、走り回っています。夢を叶えるための秘訣の答えがでませんでした(笑)でも、夢が叶う叶わないにしろ、夢を追いかける過程を楽しむことが大事かなと私は思っています。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

ある日の1日の流れ

「H&M」プレスルームで取材を実施(C)モデルプレス

09:00~ 出社:先週のキャンペーン・フォローアップ

10:00~ マーケティング・ミーティング

10:30~ 本国スウェーデンからのメールをチェック、デスクワーク

12:00~ ランチ休憩

13:00~ 外部ミーティング

14:00~ 企画資料作り、ミーティング

17:00~ デスクワーク、メールチェック

18:00~ 退社

木内望(きうちのぞみ)プロフィール

木内望さん(C)モデルプレス

ブランド:H&M(エイチ・アンド・えむ)
職種:マーケティング コンセプト マネージャー
アパレル業界で働き始めた年月:2011年11月~
経歴:2011年11月~店舗スタッフ、2012年9月~マーケティング・インターン、2013年8月~ソーシャルメディアマネージャー、2016年7月~コンセプト・マーケティング・マネージャー

実際に働いている人の声は?

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