リブランディングという言葉を耳にしたことはあっても、具体的にどのような意味なのか分かる人はあまり多くはありません。リブランディングとは、時代や顧客に合わせてブランドデザインやアイテムを再構築し、ブランドイメージを一新することです。しかし、リブランディングを成功させるためには、単純にデザインやロゴなどを変えればよいのではなく、いくつかのポイントを理解しておく必要があります。それでは、リブランディングの目的や効果、そしてリブランディングを行う際のポイントについて、ご紹介していきます。
リブランディングの目的
詳しく知らない人も多いリブランディングとは、どのようなものなのでしょうか。まずは、リブランディングの意味と目的について、ご紹介していきます。
<そもそもブランディングとは?>
ブランディングとは、企業が意図するイメージを消費者にも持ってもらうための手法のことです。例えば、ロゴやコピー、製品のデザインなどは、消費者にイメージを伝えるためのブランディングの一つです。
<リブランディングの意味>
リブランディングとは、すでにあるブランドイメージを再構築・再定義して、消費者に新たなブランドイメージを伝えていくことです。また、既存のブランドデザインやアイテムを購入してもらうターゲットを変え、ブランドを再構築することもリブランディングという言葉が用いられます。
<企業がリブランディングを行う目的>
企業がリブランディングを行う目的は、時代や消費者ニーズの変化に対応するためです。どれだけ優れたアイテムを消費者に提供していても、時代や消費者ニーズの変化に合わせていかなければ、次第に売り上げは落ちてしまいます。同様に、ブランドの方向性やターゲットを流行や顧客に合わせて修正し、再活性化するためにも、リブランディングが行われます。
リブランディングのメリット
様々な企業がリブランディングを行うのには、理由があります。それでは、リブランディングのメリットについて、ご紹介していきます。
<新規顧客が獲得しやすい>
今までのブランドイメージを一新することによって、顧客のターゲット層を広げることができます。顧客のターゲット層が広がることによって、新規顧客を獲得しやすくなり、売り上げアップも期待できます。そのため、リブランディングでは新たな顧客ターゲット層の獲得を目指して、ロゴやイメージを変えるのがポイントです。例えば、流行を意識したロゴやイメージへ変えることによって、30代向けのブランドから、若年層にもターゲット層を増やすことが可能になります。
<社員満足度が向上する>
リブランディングは、消費者の変化だけではなく、社内の満足度アップも期待することができます。会社全体でリブランディングすることによって、付加価値が加わり、採用力が強化できます。
<既存顧客の満足度アップを図る>
売り上げに重要なのは、新規顧客の増加だけではありません。一定の売り上げを支えている既存顧客も売り上げの重要なポイントです。そのため、既存顧客の満足度も上げる必要があります。リブランディングをすることによって、既存顧客のアイテムやブランドに対する停滞感やマンネリ感を打破し、満足度をアップさせることが期待できます。そのためには、今までにはなかったキッズラインや子ども服などの新しいラインを増やすなど、顧客に愛され続けるためのニーズに合った変化も必要になります。このように、既存顧客を意識しながらリブランディングを行うことによって、既存顧客数をキープしながら新規顧客を増やすことができます。
<少ない労力と資金で売り上げを向上できる>
ゼロから構築するブランディングをたくさん活用していると、似たようなアイテムやイメージのブランドが複数できてしまい、労力や資金の割には、企業全体の売り上げや顧客の満足度を向上しにくい状況に陥りがちです。しかし、リブランディングは、従来のブランドの資産を活用して再構築するため、ブランディングに比べて、少ない労力や資金で売り上げの向上を期待することができます。
リブランディングの方法
リブランディングは、どのように行われるのでしょうか。それでは、リブランディングの方法について、ご紹介していきます。
<ブランドが提供する価値を再認識する>
まずは、ブランドが誕生した背景やブランドのコンセプトを明確化します。あいまいな部分がある場合には、必ず言語化しましょう。
<ターゲットを再設定する>
次に、ブランドが価値を提供するターゲットを具体化します。既存のターゲット層にずれがないかについて、検討しましょう。既存のターゲット層より、ニーズが合致する層が存在する場合もあります。ターゲット層を定めた後には、詳細なペルソナまで設計するとよいでしょう。ちなみに、ペルソナ設計とは、ターゲット層を代表するような架空の人物を設定することです。これによって、ターゲット層の具体的な行動まで、想像しやすくなります。
<現状を把握する>
そして、自社・競合・業界の動向に関する分析をして、自社の現在のポジションを明確にします。その際、3C分析、4P分析、SWOT分析、PEST分析などのフレームワークを使えば、現状を整理しやすいでしょう。分析の結果から、現状の問題点を特定します。加えて、差別化できるポイントを見つけていきます。
<リブランディングの中身を考案する>
最後に、分析した結果を踏まえて、リブランディングの方向性や具体的な施策を考えていきます。例えば、1.ロゴやショッピングバッグの刷新、2.商品のテイストの変更、3.新たなブランドコンセプトを示すコピーの立案などが考えられるでしょう。
リブランディングに適したタイミング
リブランディングには、どのようなタイミングが適しているのでしょうか。それでは、リブランディングに適したタイミングについて、ご紹介していきます。
<マンネリ化しているとき>
リブランディングに適したタイミングの1つ目は、マンネリ化しているときです。具体的には、店舗への来客数が減っているときや新アイテムの売れ行きが不調であるときなどが当てはまるでしょう。また、SNS上に「似たようなアイテムが多い」という声があるときにも注意が必要でしょう。加えて、ブランドを提供する当事者自身が、ブランドに新しさを感じることができていないときもリブランディングに適したタイミングといえるでしょう。
<企業内に類似したブランドがあるとき>
リブランディングに適したタイミングの2つ目は、企業内に類似したブランドがあるときです。同じ企業が提供するブランドの中にコンセプトやテイストが似たブランドがある場合には、リブランディングの必要があります。ポートフォリオを整理して、ブランドの違いを明確にしましょう。
<ブランディングに関する施策が機能していないとき>
リブランディングに適したタイミングの3つ目は、ブランディングに関する施策が機能していないときです。具体的には、想定するターゲットにうまくアプローチすることができていない可能性が考えられます。また、ブランディングを通して伝えたいイメージとターゲットがブランドに対して抱くイメージとの間にギャップがある可能性も考えられるでしょう。
リブランディングのポイント
リブランディングによって、売り上げを大きく変化させるためには、ポイントを理解しておく必要があります。それでは、リブランディングのポイントについて、ご紹介していきます。
<リポジショニング(Re-positioning)>
リブランディングを成功させるためのポイントの1つ目は、リポジショニングです。リポジショニングとは、ブランドの立ち位置を変えることです。既存顧客を維持しながらも新規顧客を増やせるようなポジションへと立ち位置を変えましょう。また、業界内のポジションを優位にすることを目指すのも重要です。
<リフレッシュ(Re-fresh)>
リブランディングを成功させるためのポイントの2つ目は、リフレッシュ、つまりブランドの見え方を変えることです。ブランドの歴史が長ければ長いほど、歴史を重んじてしまう傾向があります。しかし、リブランディングを成功させるためには、歴史を重んじるだけではなく、変化を恐れないチャレンジ精神も必要です。
<リバイタライズ(Re-vitalize)>
リブランディングを成功させるためのポイントの3つ目は、リバイタライズです。リバイタライズとは、インナーとユーザーを活性化させるということです。消費者側だけではなく、企業側のイメージも刷新しましょう。企業側のイメージを変え、社員にとって良いことが増えると、それが消費者に対するメリットとなる場合があります。
リブランディングでブランドイメージを高めよう
リブランディングを活用することによって、時代や顧客の変化に合わせてブランドを変化させ、売り上げをアップさせることができます。本稿でご紹介させていただいたように、リブランディングを活用することによって、期待される効果はたくさんありますが、もちろん注意も必要です。本稿でご紹介したポイントを参考にして、リブランディングを成功に導いて下さい。(modelpress編集部)
実際に働いている人の声は?
-
「THE NORTH FACE」店長インタビュー 育休復帰後もキャリアを目指す理由「ひとつの指針になれたら…」
THE NORTH FACE
-
「studio CLIP」インタビュー 販売スタッフからEC担当に…やりがい&苦労は?
studio CLIP
-
「apart by lowrys」EC担当インタビュー 店舗スタッフから本社勤務までの道のり…接客ロープレ大会で受賞も
apart by lowrys
-
<伊藤千晃インタビュー>「KIKI AND DAYS」立ち上げのきっかけとは?ディレクター業に迫る
KIKI AND DAYS
-
「ボタニスト」店長インタビュー 仕事内容・やりがい&苦労を語る
BOTANIST