【アパレル/モデルプレス】現在、日本における衣類廃棄量は、年間約100万トンにもなっています。このような状況の中で、アパレル業界では、「衣料品のリユース活動」が注目されてきています。それでは、衣料品のリユース活動とは、どのようなものなのでしょうか。本稿では、日本における衣類廃棄量と、アパレル業界によるリユース活動についてご紹介していきます。
日本における衣類廃棄量
「日本における衣類廃棄量」とは、どの程度のものなのでしょうか。まずは、日本における衣類廃棄量についてご紹介します。
<日本における衣類廃棄量は、年間約100万トン>
日本の衣類廃棄量は、年間約100万トンにも上るといわれています。衣類1着を約300グラムとして計算した場合、100万トンは33億着分の衣類ということになります。※この計算は、独立行政法人中小企業基盤整備機構による報告書を参考
<廃棄された衣類の半分以上は、焼却処分される>
このような事実に加えて、廃棄された衣類の半分以上は、焼却処分されるといわれています。そして、日本における衣類のリユース率は低いということも、よく指摘されています。
衣類の廃棄が増える理由
「衣類の廃棄が増える理由」とは、どのようなものが考えられるのでしょうか。それでは、衣類の廃棄が増える理由についてご紹介します。
<ファストファッションの流行>
衣類の廃棄が増える理由の1つ目は、「ファストファッションの流行」です。ファストファッションの流行で、だれでも気軽に、そして安く衣類を購入できるようになりました。この影響によって、消費者が次々と衣類を購入するようになってきているということが、指摘されるようになっています。これによって、数回しか着ていない衣類であっても、飽きたらすぐに廃棄してしまうというようなケースも、散見されるようになっています。
<トレンドの細分化>
衣類の廃棄が増える理由の2つ目は、「トレンドの細分化」です。ファッション業界のトレンドや消費者の好みが細分化したことで、衣類の種類自体が増えているといわれています。ただ、アパレル企業は、いわゆる「売り切れリスク」を回避するために、十分な量の衣類を生産します。その結果、売れ残ってしまった商品については、廃棄されてしまうということになるのです。
<返品在庫の再販不可>
衣類の廃棄が増える理由の3つ目は、「返品在庫の再販不可」です。たとえば、店頭に陳列され、試着の際に使われた商品などは、売れ残ってしまうことが多いといわれています。それらの売れ残ってしまった商品は、アパレル店舗からメーカーに返品されることになります。これらのような、いわゆる「展示品」は、たとえきれいな状態であっても、新品として再出荷することは難しいということが、ほとんどのようです。
アパレル企業が取り組むリユース活動とは?
「アパレル企業が取り組むリユース活動」には、どのようなものがあるのでしょうか。それでは、アパレル企業が取り組むリユース活動についてご紹介します。
<リサイクルよりも広がるリユース活動>
当然のことではありますが、衣類についても、リサイクルをすることは可能です。衣類のリサイクルでは、衣類を繊維の状態に戻したり、断熱材などのような、ほかの用途のものに再利用したりします。ただ、すでに指摘したように、廃棄される衣類は、まだ着ることができるというような状態の、いわゆる「きれいな服」であることがほとんどです。そのため、多くのアパレル企業は、本来であれば廃棄されてしまうような衣類を、そのまま古着として販売する、「リウェア」や「リユース」に力を入れるようになっています。
<衣料品引き取りキャンペーン>
アパレル企業が取り組むリユース活動には、たとえば、「衣料品引き取りキャンペーン」というようなものもあります。これは、アパレル店舗の店頭で、お客様から不要になった衣料品を回収し、それらを国内外での再利用やリサイクルに回すという活動です。多くのアパレル店舗では、お客様から不要になった衣料品を回収する際に、さまざまな特典を付けるなどしています。このような活動を実施しているアパレル店舗は、消費者にメリットを与えつつ、次回の売り上げにもつなげようとしています。たとえば、お客様からの不要になった衣料品の引き取り時に、割引クーポンを発行するなど、それぞれのアパレル店舗やアパレルブランドごとに、さまざまな工夫が凝らされています。
リユース活動で、他のアパレル店舗に差をつける
いかがでしたでしょうか?現在多くのアパレル企業では、衣類のリユース活動が積極的に行われています。衣類のリユース活動は、年間約100万トンにも上る衣類廃棄の削減に貢献することができます。ただ、衣類のリユース活動を行うメリットは、このことだけではありません。衣料品引き取りキャンペーンのような、アパレル店舗による工夫次第で、次回の売り上げにつなげていくことも可能になるのです。あなたの店舗においても、このようなリユース活動を採用して、他のアパレル店舗に差をつけてくださいね。
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