【アパレル/モデルプレス】データ分析は、アパレル店舗の運営には、必須であると言っても過言ではありません。しかしながら、データ分析を苦手とされているアパレル店員の方は、とても多くいらっしゃるようです。それでは、アパレル店舗において、データ分析を行っていく際には、どのようなことを行っていく必要があると考えられているのでしょうか。本稿では、「アパレルの仕事に役立つデータ分析の基本」について、ご紹介していきます。
アパレル店舗の運営に欠かせないデータ分析
アパレル店舗の運営において、データ分析は、欠かすことができないものです。まずは、「アパレル店舗において、データ分析に活用される主な指標」と「アパレル店舗におけるデータ分析の大切さ」について、ご紹介していきます。
<アパレル店舗において、データ分析に活用される主な指標>
「アパレル店舗において、データ分析に活用される主な指標」は、「売上」「客数」「客単価」「粗利」「在庫」「商品回転率(在庫回転率)」など、さまざまなものがあります。そして、ECサイトなどを運営している場合には、さらに多くの指標を基にして、データ分析を行っていくことになります。例えば、「購入履歴」「購入者情報」「ECサイトにアクセスするまでのプロセス」などを挙げることができるでしょう。
<アパレル店舗におけるデータ分析の大切さ>
お客様のニーズを読み取るという意味において、データ分析は、不可欠なものです。データ分析は、「商品の売れ筋」や「商品の死筋」を発見することなどに役立つと言われています。昨今では、インターネットの普及などによって、デジタル化が進んでおり、「購買チャネル」が多様化してきています。ECサイトやSNSなどから商品を知り、購入に至るというようなお客様も少なくありません。「利用者の属性」や「利用者の流入経路」などを分析することができれば、「ニーズの把握」などに役立てることが、可能になるでしょう。そして、店舗の運営においては、「売上」と「在庫」にかかわるデータ分析を行うことが、特に大切になります。これは、「売上の動向」を分析することによって、「適正な在庫」を確保する必要があるためです。
売上と在庫にかかわるデータ分析の基本
それでは、売上と在庫にかかわるデータ分析を行っていく際には、どのようなことが基本となるのでしょうか。ここからは、「売上と在庫にかかわるデータ分析の基本」について、「売上の基本的な分析方法」と「在庫の基本的な分析方法」に分けて、ご紹介していきます。
<売上の基本的な分析方法>
基本的には、昨年の同月や前月とさまざまな数値を比較していくことになります。例えば、「売上」「客数」「客単価」「粗利」などの数値を挙げることができるでしょう。その際、商品のカテゴリー別、曜日別など、さまざまな視点から、分析を行うようにしていくとよいでしょう。
<粗利の求め方>
「粗利」とは、「売上」から「原価」を引いた額のことであり、「儲け」の指標の一つとなります。ちなみに、「粗利」から、店舗の運営時に発生する「人件費」などの経費を引いた額が、「純利益(営業利益)」となります。粗利は、「(売上)-(売上原価)」という計算式から、求めることができます。「原価」とは、商品の仕入れや商品の製造のために必要な費用のことです。なお、「粗利」が大きければ大きいほど、商品に付加価値を上乗せすることができたと考えることができます。
<ABC分析>
「ABC分析」は、「人気商品」や「売れ筋商品」を分析する際に、有効な分析方法です。商品の売り上げが、高い順に並んでいる棒グラフを作成していきます。全体の売上の上位80%の商品を「Aランク」、次の15%の商品を「Bランク」、残りの5%の商品を「Cランク」とします。ちなみに、上位70%の商品を「Aランク」、次の20%の商品を「Bランク」、残りの10%の商品を「Cランク」として、分析を行う場合もあるようです。「Aランク」の商品については、在庫や仕入れ高などを注視して、品切れなどを生じさせないようにしていきましょう。「Cランク」の商品については、「死筋商品」であると考えられるため、在庫を適正な数値にすることができるように、発注数などを見直していくようにしましょう。
<在庫の基本的な分析方法>
基本的には、昨年の同月との比較を行っていくことになります。「在庫の総額」を把握して、「売上目標」などを達成することができるように、仕入れを行っていくようにしましょう。
<在庫高の求め方>
「在庫高」は、「(商品の売価)×(商品の数量)」という計算式から、求めることができます。なお、「売価還元法」「先入先出法」「後入先出法」など、他の求め方もあります。
<商品回転率(在庫回転率)の求め方>
「商品回転率(在庫回転率)」からは、商品が、一定期間の間に、どのくらい販売することができたのかということについて、把握することができます。「商品回転率(在庫回転率)」は、「(一定期間の売上)÷(一定期間の平均在庫高)」という計算式から、求めることができます。例えば、平均在庫の数は4個と仮定して、1年間の間に、200円の商品が、24個売れたというような場合には、「4800円(200円×24個)÷800円(200円×4個)」という計算式から、「商品回転率(在庫回転率)」は、6回転となります。なお、「商品回転率(在庫回転率)」が高ければ高いほど、商品が、多く売れているということが分かるということになります。
アパレル店舗におけるデータ分析のポイント
それでは、アパレル店舗において、データ分析を行う際には、どのようなことがポイントになってくると考えられるのでしょうか。ここからは、「アパレル店舗におけるデータ分析のポイント」について、主なものを3つご紹介していきます。
<データの背景を分析する>
アパレル店舗におけるデータ分析のポイントの1つ目は、「データの背景を分析する」ことです。売上が、好調な理由・不調な理由について、分析をしていくようにしましょう。「好調な理由」としては、「色に魅力がある」「着回しを行いやすい」などの理由を挙げることができるでしょう。「不調な理由」としては、「コーディネートの方法が分からない」「商品が目立たないところにおかれている」などの理由を挙げることができるでしょう。なお、データの背景についての仮説を立てたうえで、改善策を打っていくようにするとよいと言われています。その際、全体の売上を伸ばしていくための改善策を考えていくようにするとよいでしょう。例えば、「粗利が大きな商品を重点的に販売する」「単品では魅力が伝わりにくいような商品は、コーディネートをしたうえで販売をする」などの改善策を考えることができるのではないでしょうか。
<データの関連性を見つける>
アパレル店舗におけるデータ分析のポイントの2つ目は、「データの関連性を見つける」ことです。例えば、「セットで売れている商品」「土日によく売れている商品」などを見つけていくことができるとよいでしょう。その際、一つのデータからだけではなく、複数のデータから関連性を見出すことができないかというような視点を持って、分析を行っていくようにしましょう。商品の陳列・商品の演出に関して、ヒントを見つけることができるかもしれません。
<施策ごとに、データを分析する>
アパレル店舗におけるデータ分析のポイントの3つ目は、「施策ごとに、データを分析する」ことです。キャンペーンやセールなどの対象商品は、個別のデータを算出するようにしましょう。個別のデータを算出することによって、施策の改善につなげていきやすくすることができるでしょう。
将来のキャリアアップにつなげる
いかがでしたでしょうか?ここまでご紹介させていただいたように、アパレル店舗においては、さまざまなデータ分析を行っていくことが必要になります。アパレル店舗の運営において、いずれのデータ分析もとても大切なものです。将来のキャリアアップにつなげていくために、データ分析に関する勉強を始められてみてはいかがでしょうか。(modelpress編集部)
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