【アパレル/モデルプレス】アパレル店員にとって、もっとも重要なスキルはトーク力です。アパレル店員なら誰でもトーク力があると思われがちですが、実際には洋服は大好きだけど、接客やコミュニケーション力に自信がないという人も少なくありません。しかし、お客様に納得して洋服を購入してもらうためには、洋服の魅力や良さを伝えることや、お客様の欲しいと思っているアイテムを上手に聞き出せるかが重要になってきます。今回はもともとトークが上手でなかったアパレル店員がトーク力を向上させたコツや方法についてご紹介します。
アパレル店員の接客の基本
接客する以上お客様とお話しするのは当然ですが、ただ漫然と話していただけでは売り上げに繋がりません。ここでは、アパレル店員の接客の基礎知識についてご紹介します。
<話を聞く>
接客においてトーク力が大切という言葉を聞くと、人の気を引く話し方や面白いこと、ためになることを言わなければいけない、と思ってしまいがちです。しかし、接客の基本は店員が話したいことを話すのではなく、お客様の話を聞くことです。
とはいえ、お客様から話しかけてくれることはほとんどありません。そのため、お客様から来店の動機についてさりげなく聞き出すことから始めます。例えば、買い物に来た目的や、探しているアイテムなどの情報がわかると、どんなアイテムを提案すべきなのか、店内のどの辺り案内するべきなのか、わかってきます。
<声をかけるタイミングが大切>
ただし、お客様によっては、最初から店員に話しかけられることをプレッシャーに感じてしまい、落ち着いて買い物ができないという理由で退店してしまうケースもあります。お客様を逃してしまわない為に声をかけるタイミングは非常に大切です。
まずはお客様の視界に入ることから始めましょう。そうすることで、お客様の警戒心を解きやすくなるからです。また、お客様の行動からも声をかけるタイミングがわかることがあります。例えば、商品を体に当てているときや価格を調べ始めたときなど、気になっている素振りが見えた時は絶好のファーストアプローチのタイミングです。
<常に笑顔を心がける>
声をかけるタイミングが絶妙であっても、話しかけるときに暗い声や表情をしていると、お客様は不安になったり、不快感を覚えたりしてしまいます。接客の基本は笑顔です。
笑顔で話しかけると、相手に敵意がないことを示すことになり、リラックスして対話を始めることができます。また、笑顔の効果として、お客様に「話していて楽しい」と思わせることもできます。楽しい気持ちで商品を選ぶことで、より一層、お客様の購買意欲を掻き立てます。さらに、一度楽しい買い物ができたお店はお客様にとっても印象が良くなるケースが多く、その結果、再び来店したいと思わせることができます。
アパレル店員のトーク力を向上させるコツ
接客の基本がわかっても、「なかなか実践できない」「トーク力を上げられない」という人のために、ここでは実践的なトーク力向上のコツをご紹介します。
<マニュアルに頼りすぎない>
トーク力に自信がない人にとって、接客マニュアルは心強い味方です。基本となる表現や言い回しを覚えておくだけで、お客様に話しかけやすくなると感じる人も多いです。しかし、お客様によっては、アパレル店員からの定番の表現やいつもの質問に飽き飽きされている可能性もあり、マニュアル通りの接客が必ずしも正解というわけではないのです。
例えば、「何かお探しですか?」「ご試着もできます」などの声掛けは、悪い言い方ではありませんが、お客様からの反応が薄いことも少なくありません。そのため、マニュアル以外の自分らしい表現や間合いを取り入れることもコツの一つです。
<相手のテンションに合わせる>
接客において、アパレル店員として何を、どんな風に話すのか、ということは、とても大切はポイントです。しかし、それ以上に、お客様の様子や気分をよく見るようにしましょう。
特に、お客様の服装によって勝手なイメージを作って話しかけるのはNGです。また、一方的に自分のテンションを押し付けるような接客もお客様を不快にさせたり、気を使わせる原因になるので、注意しましょう。自分がどのように接客したいかではなく、相手のテンションに合わせて接客することがポイントです。
例えば、お客さまが嬉しそうに話していたら、こちらも明るく返し、購入を悩んでいるなら一緒になって考え込むなど、お客様の気持ちに寄り添う姿勢を見せるようにします。そうすることで、お客様から「この店員は親身になってくれる」と初めての来店でも信頼してもらえるようになるでしょう。
<答えやすい質問をする>
トーク力を磨くためには、説明上手になるよりも質問上手になることを意識するのがコツです。なぜなら、お客様の気持ちや考えを素早く知るためには、的確な質問が有効だからです。そのためにおすすめの方法はお客様が「はい」「いいえ」で返せる質問をすることです。具体例を挙げると、「アウターをお探しですか?」「別の色を見てきましょうか?」など、相手がまず、「はい」「いいえ」で答えられるように選択肢を絞り込むような質問です。
ただし、質問の仕方やタイミングを間違えると、会話が続きにくくなることもあります。例えば、「何かお探しですか?」や「新作を入荷しているのですが、いかがですか?」などの質問は、お客様が「いえ、特に」「別にいいです」と答えてしまうと、それ以上話が続かなくなります。
会話のバリエーションを広げる!状況別トーク例
トーク力に自信があるという人でも会話のバリエーションが少ないという人は多くいます。ここでは接客で使える状況別のトーク例をご紹介します。
<ファーストアプローチ>
接客において、もっとも難しいのはファーストアプローチでの声かけです。漠然と「何かお探しですか?」と投げかけるよりも、時には「そちら、最近入荷した新商品です」「そちらのアイテムは今年の流行色ですよ」などの商品の情報提供から入ると、その後に接客しやすくなるケースがあります。お客様が商品を見ているときに、デザインやカラー、アイテムの特徴など、どのような要素を意識して見ているのか観察してみましょう。
<相手の趣味を知りたいとき>
お客様にどんなアイテムを勧めると気に入ってもらえるのか、というのは見た目だけではわからないこともあります。そのような場合には、相手の好みを知るために「いつもどんなファッション雑誌を読まれていますか?」「普段、何色の服をよく着ますか?」など、相手がファッションを選ぶ時に大切にしているポイントを聞くことも有効です。
<お客様が購入を迷っているとき>
アパレル店員の腕の差が出るのは購入前の一言でしょう。トーク力の高い店員は、お客様が購入を迷っている時に、効果的な一言で背中を押しています。例えば、「◯◯な感じに見えますよ」とお客様がその洋服を着た時の印象やイメージを大人っぽい雰囲気、元気なイメージなどと表現して具体的にする方法は、とても有効です。
また、普段からオシャレを楽しんでいる人には「◯◯なコーディネートや、◯◯に合わせても素敵です」など、そのアイテムによってファッションの幅が広がることをアピールすると効果的です。
<試着後に意見を求められたとき>
接客が得意という人でも試着後の意見で失敗してしまうケースは少なくありません。「せっかく試着してもらったのだから」「お客様に良い気分で購入してもらいたい」など、売り上げにつなげたいと思うばかりに大げさな褒め言葉や、曖昧な表現を使うのはNGです。
「お顔が明るく見えますね」「サイズもぴったりですね」などお客様と洋服がぴったりと似合っている、洋服によってお客様が素敵に見えるポイントをつくのがコツです。また、本当にあまり似合ってないと思った時には、より似合うものを提案することで、お客様に信頼してもらえるようになることもあります。
トーク力は場数と表現力の豊富さで短期間の向上が可能です
いかがでしたでしょうか?アパレル店員にとって、トーク力は売り上げを左右する大切なスキルの一つです。それだけに、身につけるのは難しいと思われがちですが、実際には短期間でトーク力は向上します。そのためには、接客を恐れず場数踏むことと、表現力の幅を広げることです。特に人を安心させたり、喜ばせる言葉、洋服の良さをアピールする言葉はたくさん知っておいて損はありません。先輩、家族、友人、ネットや雑誌、書籍などから、幅広く表現力を吸収し語彙を増やして、ワンランク上のトーク力を身につけたアパレル店員になってください。(modelpress編集部)
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