ビニール肌とは？肌トラブルに悩むお客様にご提案したい適切なケア

皆様は、「ビニール肌」をご存知でしょうか。ビニール肌は、肌に関する代表的なトラブルのひとつです。しかしながら、ビニール肌のケアの方法やビニール肌の原因については、正しく知られていないことが多いようです。そこで、本稿では、ビニール肌のケアの方法やビニール肌の原因について、正しい知識を得ていただくため、1.ビニール肌に関する基礎知識、2.ビニール肌になる原因、3.ビニール肌を放置すると起こりやすいトラブル、4.ビニール肌に悩むお客様に伝えたいスキンケア、5.ビニール肌に関するよくある質問について、ご紹介していきます。

ビニール肌に関する基礎知識

「ビニール肌に関する基礎知識」には、どのようなものがあるのでしょうか。まずは、ビニール肌の定義とビニール肌によく見られる症状について、ご紹介していきます。

＜ビニール肌とは？＞

「ビニール肌」とは、一般的には、肌がダメージを受けており、不自然なツヤがある状態の肌を指します。ビニール肌のツヤは、いわゆる「ツヤ肌」のような健康的な肌のツヤとは、異なるものです。健康的な肌状態ときには、肌に水分が保たれているため、肌に弾力があります。しかしながら、ビニール肌は、乾燥しているため、肌に弾力はありません。なお、ビニール肌は、「敏感肌」に近い状態であるといわれています。肌の水分が不足して乾燥しているため、肌の「バリア機能」が低下しているのです。そのため、ビニール肌は、摩擦や紫外線など、外部からの刺激に対してもとても弱い状態になってしまっているということです。

＜ビニール肌によく見られる症状の例＞

ビニール肌によく見られる症状としては、以下の4つを挙げることができるでしょう。

1：肌にツヤはあるが、水分が不足しており弾力がない

ビニール肌には、ツヤはあります。しかし、水分は不足しているため、弾力はありません。

2：肌が乾燥して、突っ張るような感覚がある

ビニール肌は、乾燥しています。そのため、肌が突っ張るような感覚があります。

3：少しの刺激であっても、肌トラブルが起こりやすい

ビニール肌は、肌のバリア機能が低下している状態です。そのため、肌トラブルが起こりやすい状態になっています。

4：スキンケアをすると、肌がひりひりする

ビニール肌の場合には、スキンケアをすると、肌がひりひりすることがあります。

以上のいずれかに当てはまる場合には、スキンケアを見直すことをお勧めします。

ビニール肌になる原因

ビニール肌になってしまう原因には、どのようなものがあるのでしょうか。それでは、「ビニール肌になる原因」について、主な原因を4つご紹介していきます。

＜洗顔やクレンジング＞

ビニール肌になる原因の1つ目は、「洗顔やクレンジング」です。洗顔やクレンジングの回数が多すぎることは、ビニール肌の原因になってしまいます。洗顔は、1日2回、朝と夜に行うことが基本になります。何度も洗顔をすることによって、肌の潤いが失われてしまい、乾燥した状態になってしまうのです。また、洗顔の際に、肌を強くこすってしまうこともNGとなります。摩擦による刺激によって、肌に負担をかけやすくなってしまいます。なお、洗浄力の強い洗顔料やクレンジング剤の使用が、ビニール肌の原因となっている場合も少なくありません。たとえば、合成界面活性剤などが配合されたクレンジングオイルなどは、注意が必要です。これは、皮脂の落としすぎにつながってしまうことがあるからです。

＜過剰なスキンケア＞

ビニール肌になる原因の2つ目は、「過剰なスキンケア」です。スキンケアのやりすぎによって、肌に負担をかけてしまいます。過剰になりがちなスキンケアの例としては、ピーリング、スクラブ、パックなどのスペシャルケアを挙げることができるでしょう。それぞれのアイテムの推奨されている使用頻度については、必ず守るようにしましょう。ちなみに、週に1～2回の頻度が、一般的であるようです。

＜日焼け対策の不足＞

ビニール肌になる原因の3つ目は、「日焼け対策の不足」です。帽子や日傘、日焼け止めなどを使用した日焼け対策が不足している場合には、ビニール肌になってしまうことがあります。紫外線を受けることによって、肌のバリア機能が低下してしまい、肌が乾燥しやすくなってしまうのです。

＜生活習慣の乱れ＞

ビニール肌になる原因の4つ目は、「生活習慣の乱れ」です。偏った食生活、睡眠不足、ストレスなどを挙げることができるでしょう。これらは、肌のターンオーバーの乱れにつながってしまいます。肌の角質が、未熟な状態のまま押し出されてしまうことによって、ビニール肌の状態になってしまいやすくなるのです。

ビニール肌を放置すると起こりやすいトラブル

ビニール肌の放置は、どのようなトラブルを招きやすくなるのでしょうか。それでは、「ビニール肌を放置すると起こりやすいトラブル」について、ご紹介していきます。

＜ニキビ・アレルギー反応＞

ビニール肌を放置することによって、ニキビやアレルギー反応などの肌トラブルが悪化してしまうことがあります。なぜならば、ビニール肌の表面は、角層が未熟であるため、肌のバリア機能が低下している状態になっているからです。そのため、肌のキメの乱れや肌のかさつきが起こりやすくなります。加えて、ビニール肌は、外部の刺激にさらされやすい状態でもあるため、雑菌などが繁殖しやすく、肌の炎症につながってしまうことも少なくありません。

ビニール肌に悩むお客様に伝えたいスキンケア

ビニール肌に悩まされているときには、どのようなスキンケアが必要になるのでしょうか。それでは、「ビニール肌に悩むお客様に伝えたいスキンケア」について、代表的なスキンケアを3つご紹介していきます。

＜低刺激の基礎化粧品の使用＞

ビニール肌に悩むお客様に伝えたいスキンケアの1つ目は、「低刺激の基礎化粧品の使用」です。ビニール肌のケアには、洗顔やクレンジングの後、化粧水によって肌を保湿することが大切になります。お客様には、化粧水によって保湿をする際には、コットンを使用して、肌を強くこすることがないようにしていただくようにしましょう。そして、スキンケアの最後には、肌を軽く押さえつけるようにして、ハンドプレスを行っていただくようにするとよいでしょう。なお、化粧水については、敏感肌向けの低刺激のものを使用していただくようにしましょう。具体的には、植物エキスなどの自然由来の成分が配合されたものなどがよいでしょう。

＜正しい洗顔とクレンジング＞

ビニール肌に悩むお客様に伝えたいスキンケアの2つ目は、「正しい洗顔とクレンジング」です。ビニール肌に悩むお客様には、肌に優しい洗顔料とクレンジング剤をお勧めするようにしましょう。クレンジングについては、時間をかけすぎないほうがよいとされています。また、洗顔後には、ぬるま湯で洗顔料とクレンジング剤を十分に洗い流すようにしましょう。そして、最後に、タオルを使って、やさしく水分を吸い取ることも忘れないようにしましょう。

＜こまめな紫外線対策＞

ビニール肌に悩むお客様に伝えたいスキンケアの3つ目は、「こまめな紫外線対策」です。具体的には、日傘、帽子、サングラス、低刺激の日焼け止めなどを使用するようにするとよいでしょう。日焼け止めを使用する量については、クリームタイプであればパール2粒、リキッドタイプであれば1円玉2枚ほどの量が、適当であるとされています。なお、日焼け止めの塗りすぎは避けて、こまめに塗りなおすようにしましょう。

ビニール肌に関するよくある質問

ビニール肌に関する質問には、どのようなものがあるのでしょうか。それでは、「ビニール肌に関するよくある質問」について、ご紹介していきます。

＜ビニール肌はすぐに改善されますか？＞

ビニール肌に関するよくある質問の1つ目は、「ビニール肌はすぐに改善されますか？」という質問です。ビニール肌の改善には、ターンオーバーの働きが正常に戻るまで待たなければならないため、ある程度の時間は必要になります。多くの場合、数日間や1週間程度では、ビニール肌の改善は見込めないでしょう。なお、ビニール肌の改善には、肌に合うアイテムによる保湿を続けることによって、じっくりと肌のバリア機能を回復させていくことが大切になります。

＜ビニール肌は皮膚科や美容皮膚科で治療してもらえますか？＞

ビニール肌に関するよくある質問の2つ目は、「ビニール肌は皮膚科や美容皮膚科で治療してもらえますか？」という質問です。皮膚科や美容皮膚科では、肌の状態を踏まえて、適切な保湿剤などが処方されます。また、適切なスキンケアの方法に関する指導も受けることができます。そのため、セルフケアではビニール肌の改善が見られない場合には、皮膚科や美容皮膚科の受診を検討するとよいでしょう。

ビニール肌の原因を正しく理解して、適切なスキンケアとメイクのご提案を

ここまでご紹介させていただいたように、ビニール肌の発生には、様々な原因が考えられます。そして、ビニール肌には、正しいスキンケアが必要です。ビニール肌に悩むお客様がいらっしゃったときには、そのお客様が抱えるビニール肌の原因を正しく突き止め、適切なスキンケアとメイクのご提案ができるようになっていきましょう。本稿でご紹介させていただいた内容を参考にして、一人でも多くのビニール肌に悩むお客様を救ってください。（modelpress編集部）